第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

動脈硬化2

Thu. Oct 30, 2014 5:08 PM - 5:44 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 土田博光(誠潤会水戸病院 心臓血管外科)

5:08 PM - 5:44 PM

[P-4-1] CAVIはABIより優れた予後予測因子である

須甲正章1, 三俣兼人2, 寺澤史明1, 遠藤淳子1, 高井佳菜子3, 坂本賢一2, 大谷則史3, 松木高雪2 (1.製鉄記念室蘭病院 臨床検査科, 2.製鉄記念室蘭病院 循環器科, 3.製鉄記念室蘭病院 心臓血管外科)

Keywords:CAVI, ABI

【目的】ABIの低下が予後に影響を与えることは多くの大規模研究で明らかにされている。一方,CAVIと予後の関連も多く報告されているが,一般臨床現場における患者を対象とした報告は少ない。そこで我々は当院の患者を対象にCAVIと予後の関連について検討を行った。【対象】対象は2007年4月から2008年3月までに当院でABI及びCAVIを測定した患者のうち,維持透析,持続性不整脈,および下肢血行再建術患者を除いた連続212名(男性134名,平均年齢68.0±13.0)である。【方法】死亡をend pointとした。平均追跡期間は1455.3±784.0日。測定項目はABI,CAVI,性別,年齢である。CAVIおよびABIは左右の測定値のうち,CAVIは高値,ABIは低値を使用した。生存分析にてABIおよびCAVIと死亡の関連を検討,またABIとCAVIの予後予測能をROC曲線のAUCにて比較検定を行った。【結果・考察】ABIを0.9にて分けた2群間でのログランク検定では生存時間に統計学的有意差が認められなかったが(p=0.51),CAVIを8.0にて分けた2群間では生存時間に統計学的有意差が認められた(p<0.01)。COX比例ハザード分析では,年齢および性別で補正を行ってもCAVIは有意な死亡予測因子として採択されたが(hazard ratio 1.11,p=0.04),ABIは採択されなかった(hazard ratio 0.35,p=0.29)。この結果からCAVIは一般臨床における死亡の予測因子であることが示された。次にCAVIおよびABIのAUCを比較それぞれ0.645(95%信頼区間0.49~0.70),0.671(95%信頼区間0.57~0.77)であり,CAVIのAUCはABIのそれと比較し統計学的有意に高値であった。この結果からCAVIは予後予測因子であり,CAVIの予後予測能はABIより優れていることが示された。