第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

動脈硬化2

Thu. Oct 30, 2014 5:08 PM - 5:44 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 土田博光(誠潤会水戸病院 心臓血管外科)

5:08 PM - 5:44 PM

[P-4-3] シングルアクセスで対側造影下にCTO治療を実施した1例

中村玲雄, 木下法之 (康生会 武田病院 循環器センター)

Keywords:PCI, less invasive intervention

 症例は50歳代の男性で,胸部違和感を主訴に当科を受診された。心電図上は有意な変化は認めなかったが,MDCTにて左冠動脈前下行枝へ閉塞性病変が疑われたため右橈骨動脈アプローチにて冠動脈造影を実施した。造影上,右冠動脈へは有意狭窄は認めなかったが,左冠動脈前下行枝へ閉塞性病変を認めたため,引き続きPCIを実施した。J-CTOスコアにて1点であり,5Fガイディングカテーテルを使用し治療を開始した。マイクロカテーテル下にXTーAガイドワイヤーを閉塞遠位部まで通過させた。ガイドワイヤー先端が血管の真腔にある事を確認するため,対側造影を行う方針とした。通常であれば,異なる動脈からシースを挿入し,対側造影を実施する必要があるが,本症例では右冠動脈の起始異常を認めず,より柔軟な5Fガイディングカテーテルを使用している事もあり,シングルアクセスでの対側造影を実施した。左冠動脈前下行枝へワイヤーを挿入したまま,ガイディングカテーテルを右冠尖まで時計回りに引き抜き,造影を実施したところ,閉塞遠位部まで造影され,ガイドワイヤー先端が真腔にある事が視覚的に確認された。ワイヤーを末梢まで通過させ,病変部へステントを留置し手技を終了した。この方法により対側造影時の動脈穿刺部位を2カ所から1カ所に減らす事ができ,より低侵襲なCTO治療が可能になると考えられた。