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[PR-13-5] 透析患者の末梢動脈疾患に対するLDLアフェレシスの長期成績
Keywords:LDL apheresis, hemodialysis
【目的】透析患者の末梢動脈疾患(PAD)は下肢末梢に発症し,びまん性で石灰化が多く,血行再建が困難であることが多いため,LDLアフェレシス(LDL-A)を併用した集学的治療を行うことが多いが,LDL-Aの長期成績の報告は稀であり,今回当施設におけるLDL-Aの長期予後と関連因子について検討した。【方法】2001年1月から2006年12月まで,当院にてFontaine分類II~IV度のPADを有する維持血液透析患者に対し,LDL-Aを施行した40例。平均観察期間36.8±19.5ヵ月(1~83ヵ月)。【結果】平均年齢68.4±8.8歳(43-85歳)。DM29例,non-DM11例で,Fontaine分類II度16例,III度11例,IV度13例にLDL-Aを施行した。経過中下肢大切断に至った症例は,II度:1/16例,III度:6/11例,IV度:4/13例であった(AK8例,BK3例)。大切断後の死亡は11例中9例で,9例のうち5例は切断術後30日以内の死亡であった。1年生存率は70%,2年生存率60%,50%生存率は42か月であり,死亡は18例(敗血症8例,心不全3例,肺炎3例,脳炎2例,突然死,その他1例)であった。大切断を回避できたFontaineIII度5例では3例が改善,2例が不変であり,またIV度9例では2例改善,5例不変,2例死亡であった。全死亡については,非糖尿病群に比較し,糖尿病群で有意に生存率が悪く(p=0.0309),全死亡に寄与する因子をCox比例ハザードモデルで検討すると,男性と糖尿病合併が有意なリスク因子として残った(それぞれ,p=0.0288,0.0482)。【考案】LDL-AはCLIの段階での適応には限界があるが,難治例においても改善効果・進展抑制効果があり,積極的に試みられるべき治療法である。