第55回日本脈管学会総会

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会長要望演題

保険収載された内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術1

Fri. Oct 31, 2014 9:00 AM - 9:40 AM 第2会場 (アイシアター)

座長: 八杉巧(愛媛大学医学部附属病院 心臓血管外科)

9:00 AM - 9:40 AM

[PR-14-1] 不全穿通枝のエコーによる評価方法の工夫

篠崎幸司, 片山智博, 石井孝明, 東野健, 川崎靖仁, 大鶴實, 安田青兒 (神戸掖済会 外科)

Keywords:SEPS, Incompetent Perforating Vein

【はじめに】本年より内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(SEPS)が保険適応となった。うっ滞性皮膚病変の治療の際に,表在静脈瘤に合併した不全穿通枝(Incompetent Perforating Vein,IPV)を表在静脈と一期的に同時治療することの是非についてはいまだ議論のあるところである。重症うっ滞性皮膚炎に合併するIPVのエコーによる評価方法について検討した。【方法】IPVのエコー診断の際にミルキングまたはバルサルバ法で逆流が確認しにくい場合に,IPVより頭側の表在静脈の逆流を駆血帯によりブロックすることにより表在静脈が処理された術後の状態を作りIPVを評価する。駆血は通常の駆血用ゴム管を用いて静脈圧以上の圧で行い,IPVの周囲やその末梢の静脈瘤の血行をミルキングを行いながらエコーで観察する。【結果】C4-C6の重症うっ滞性皮膚病変を伴う静脈瘤患者のうち,3mm以上の穿通枝を認めた13例について評価したところ,6例では表在静脈瘤の駆血により駆血部より末梢の表在静脈の逆流はほとんど消失したが,7例では変化が見られなかった。7例中3例は潰瘍症例(C6)であった。7例中6例はSEPSによりIPVの切除を行い良好な経過である。【まとめ】不全穿通枝の悪性度の評価法についてのpreliminary studyであるが,表在静脈術後の状態を把握するために有用と思われるため症例を重ねて検討する。