第55回日本脈管学会総会

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ワークショップ

脈管疾患のCVTの役割

Fri. Oct 31, 2014 9:00 AM - 10:20 AM 第3会場 (202会議室)

座長: 松尾汎(松尾クリニック), 加賀山知子(東京医科歯科大学医学部附属病院 バスキュラーラボ)

9:00 AM - 10:20 AM

[WS-2-5] 脈管診療における血管看護師の役割

土田博光1, 青柳幸江2 (1.誠潤会水戸病院 心臓血管外科, 2.誠潤会水戸病院 Vascular Unit)

Keywords:clinical vascular technologist, vascular nurse

脈管診療に関わるコメディカルのなかで,ほぼ全領域に関わるのは看護師だが,多領域に関わるがゆえに返ってその役割は明確でない。血管看護師(VN)の定義も明確でないため,血管診療に関わりCVT資格を持つ看護師をVNと考え,多施設のVN数名に,現状,意見を聞き,その役割を検討した。多くのVNの意見は同様で,以下のようにまとめられた。検査・診断領域:バスキュラーラボで無侵襲検査を行っているVNもいるが,検査自体は臨床検査技師の主たる業務であり,看護師はベッドサイドでできる簡易検査を習得していればよいと思われる。侵襲的検査の介助も看護師の重要な役割ではあるが,VNである必然性はない。治療領域:血管リハビリは,理学療法士(PT)がメインに行う施設もあるが,急変時対応の便宜など,VNが関わる意義は大きい。リンパマッサージやフットケアも,PT,VNどちらが関わっても利点を発揮できると思われる。指導業務:患者指導業務も,管理栄養士,薬剤師とともに,セルフケア指導,ストッキング指導など,VNの知識や経験が活かせる領域である。つまり,個別の役割ではVNの業務は診断より治療や指導領域に偏ると思われる。CVTは「脈管診療のエキスパートとして医師のパートナーとなりうるコメディカル」と定義されるが,臨床検査技師が88%を占めるCVTが治療領域で充分活躍しているとは言えず,その意味でもVNにはPTとともに治療領域での活躍が期待される。ただ,それに加え,全領域に関われるゆえに,複数診療科の医師,多職種の間にはいり,脈管疾患のクリティカルパスの作成などを通し,チームを有効に機能させるコーディネイターとしての役割も果たしたいと考えている。