JCI Annual Convention in KOBE

実行委員長の挨拶

JCI年次大会(神戸)へのお誘い

 
実行委員長 森川 英典(神戸大学教授)

 第40 回コンクリート工学年次大会(コンクリート工学年次大会2018(神戸))は,「美(み)・永(な)・都(と) コンクリート ~ 美しく永く都市を支えるコンクリート ~」をキャッチコピーとして,7月4日(水)~6日(金)の3 日間,神戸市で開催されます。神戸市で開催されるのは,阪神淡路大震災の2年前1993年の第15回大会以来25年ぶりで,阪神淡路大震災から23年にあたります。震災復興におけるコンクリート工学の寄与は非常に大きく,年次大会がこの地で再び開催されるのは意義深いものと思っています。また,2017年に神戸港開港150年,2018年には兵庫県政150年(明治維新150年)の節目を迎え,兵庫県,神戸市は,これまでの歴史・伝統を踏まえながら,新しく美しい未来都市を築く展開を図っています。今回のキャッチコピーは,このようなみなとまち・神戸で,都市・地域を支えるコンクリートについて,最新情報の発信・交換やPRなどを行うことをイメージして設定しました。
 本大会の主会場は神戸市東灘区の海上都市「六甲アイランド」にある「神戸ファッションマート」で,神戸,大阪から電車でそれぞれ,20分,30分程度の便利なところです。懇親会の会場は,主会場に隣接した神戸ベイシェラトンホテルです。
 コンクリート工学講演会では559件の論文発表・報告が予定され,コンクリートに関する新たな知見が発表され,活発な意見交換が行われます。コンクリートテクノプラザでは,84社・グループ(101小間)の新技術の展示・解説に加えて,技術紹介セッションで最新技術の紹介が行われます。生コンセミナーでは,「生コンクリートの現場をもう一度考える」をテーマに,2011年の年次大会(大阪)で問題提起・討論したテーマについて,「あれから7年どうなったん?」と題し,その後の状況と課題についてフォローするとともに,生コン現場での女性の活躍,コンクリートのイメージアップについて情報発信・意見交換を行います。特別講演会では,「コンクリートと神戸の文化遺産」と題して,歴史家である園田学園女子大学名誉教授の田辺眞人氏にご講演いただく予定で,会員の皆様のみならず一般の方々にもご参加いただき,コンクリートに対する興味・理解を深めていただければと期待しています。見学会は,初日に,(1)「明石海峡大橋と淡路島・北淡を巡るツアー」と題し,コンクリート新技術が駆使された明石海峡大橋とユニークなデザインの淡路夢舞台国際会議場,阪神淡路大震災の爪跡を後世に伝える北淡震災記念公園(野島断層保存館)を巡るコースと,(2) 「阪神・淡路大震災に関する資料館を巡るツアー」と題し,「震災資料保管庫」,「人と防災未来センター」,さらには,震災からの復興を遂げ再生した酒どころ「灘五郷」の酒蔵を巡るコース,2日目に,(3) 「六甲山の日本最古の重力式コンクリートダムを巡るツアー」と題し,日本最古の重力式コンクリートダム「布引五本松堰堤」,モニエ式の格子状配筋が施された鉄筋コンクリートアーチ橋,神戸ウォーターとして世界的に名高い布引の滝の取水施設など,明治時代のコンクリート構造物を巡るコースを予定しています。この機会に是非ご見学いただければと思います。さらに,学生のための企画である「キング・オブ・コンクリート2018」では,予選としてモルタルはり試験体の曲げ試験,コンクリートクイズ大会,本選としてフレッシュモルタル試験を行うことを計画しています。
 以上のような企画で,年次大会が催されます。震災からの復興を遂げ,美しい歴史的建造物,モダンな建造物から構成されるみなとまち神戸において,コンクリートに関する最新情報の共有と発信,PRを行うことにより,コンクリート工学の発展,都市・地域の発展に寄与する機会となることを願っています。洗練された神戸・関西の食のご賞味も兼ねて,多数の皆様にご参加をいただきますよう,心よりお待ち申し上げます。