[2093] マルチ配置CFRPより線の定着に使用された定着用膨張材の長期性状について
キーワード:anchorage, calcium hydroxide, depth of neutralization, expansive pressure, highly expansive material, pore size distribution, quick lime, 中性化深さ, 定着, 定着用膨張材, 水酸化カルシウム, 生石灰, 細孔径分布, 膨張圧
CFRPより線の大容量マルチケーブルの長期定着性能試験を約14年半実施し,その定着に使用されていた定着用膨張材の中性化深さ,水和状態,細孔径分布等の確認と水和組織の観察を行った。さらに得られた結果と既報の研究結果を照合しながら,定着用膨張材の長期耐久性に関する材料面での考察を行った。その結果,中性化深さ,水酸化カルシウムの生成量,細孔径分布の状態から,定着性能を保持できる状態にあることを確認した。また,膨張圧の発現に寄与する生石灰が残存していたことから,水和の進行により膨張力を発現する可能性を有し,今後も定着性能を維持できることを示唆する結果を得た。