Japan Association for Medical Informatics

[3-C-3-04] 医用テレメータにおけるセントラルモニタ稼働率の把握とチャネル再配置への利用

*Sonchoru Yun1,2, Yasutomo Aota1, Syuta Ooshiro1, Tadamasa Takemura2 (1. 加古川中央市民病院 臨床工学室, 2. 兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科)

Central Monitor, Operation Rate, Relocation


【背景】
一般病棟における医用テレメータは、電波利用機器の増加に伴いトラブル事例が増加している。800 床以上の病院で、セントラルモニタ(CM)の割り当てチャネルの確保が困難であり、チャネル不足が生じていると推定される。一方CMチャネルの使用率(稼働率)把握は、ログ解析やラウンド調査による膨大な労力を要し、一般的に正確な稼働率は把握されていない状況である。精度の高い稼働率の把握は、適正なチャネル数の配置やチャネル不足解消などが期待される。
【目的】
省力化による精度の高いCM稼働率の取得と、稼働状況の解析によるチャネル再配置が有用であったか検証した。
【方法】
フクダ電子社製統合型モニタ管理システム CVW-8000の会計支援パックCVW-7000ASPモニタ使用率アプリ(7000ASP)を用いてCM稼働状況を取得した。対象は9病棟(A~I)の計152チャネル(8~48)とした。2018年度の稼働状況と看護必要度Ⅱ(2018年改訂)の算定要件を基準とし、2019年4月にチャネル再配置を行い、再配置前後のCM稼働率について評価した。
【結果】
2018年度の稼働率[中央値(最小-最大)]は、59.5%(29.5-80.0)であった。各病棟の稼働状況から低稼働率であったE病棟(16チャネル、29.5%)の8チャネルをA、B病棟(各8チャネル、68.0%、80.0%)に4チャネルずつ増床、再配置を行った。再配置後の2019年度の稼働率は67.3%(48.4-80.8)、再配置病棟はそれぞれ、E病棟:48.4%、A病棟:64.5%、B病棟:75.9%であった。
【考察】
これまで把握困難とされたCM稼働状況が容易に把握可能となった。各病棟のCM稼働率を可視化することで稼働率の上昇、再配置および標準化に繋がった。CM稼働率の把握は適正台数の検討やチャネル数不足の解決に重要であることが示された。