Japan Association for Medical Informatics

[3-C-3-05] RFIDを用いた手術材料使用実績自動登録システムの実証実験

*Satoshi Yamashita1, Shintaro Oyama1, Keiko Yamashita1, Kikue Sato1, Aki Sugano1, Chiaki Funada1, Daisuke Kobayashi2, Yumiko Ama3, Hiroshi Tomozawa4, Yoshimune Shiratori1 (1. 名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター, 2. 神戸大学大学院医学研究科 地域社会医学・健康科学講座 医療システム学分野 医療経済・病院経営学部門, 3. 帝人株式会社, 4. サトーヘルスケア株式会社)

Internet of Things, RFID, Logistics efficiency, Automatic Registration System


【目的】RFIDを用いて手術材料の使用実績を自動で登録するシステムを試作したので、その実証実験の内容を報告する。

【方法】サトーヘルスケア(株)、帝人(株)と共同で、電波制御技術により高い読み取り精度を持つゴミ箱型読取装置(RecoFinder)を用いて、UHF帯RFIDタグが付いた箱を捨てるだけでタグの中身を読み取るシステムを構築した。その有効性を確認するため、2019年5月末より実証実験として、当院にて人工関節置換術を行う際に手術室看護師に実際に使用していただき、インプラント情報をリアルタイムに登録できるかについて確認した。確認項目は、実際に捨てられた箱のうちのRFIDタグ貼付率や、読取率である。また、実際に利用した看護師へのアンケート調査も実施した。

【結果】6月第1週までに24症例に対して実施した。使用した全インプラント160個のうち、RFIDタグが付いていたものは127個で、貼付率は79.4%であった。そのうち、1回投げ入れただけで読み取りができたものは119個で読取率は93.7%であった。1回で読み取れなかったものでも、再度投入すると全て読み取れた。使用した看護師へのアンケートでは、操作は簡単で業務の妨げにならないこと、導入されれば業務が楽になる可能性が高いこと考えていることが分かった。

【結論】今回試作したRFIDタグの付いた箱を捨てるだけで使用実績を自動で登録するシステムの有効性は確認できた。非常に簡便で良いシステムであるが、読み取りできなかったものの原因が不明であること、RFIDタグがまだ全ての人工関節インプラントの外装箱についていないことなどが問題点である。今後は読み取り機の改修や関係業者への更なる働きかけを行ったうえで、これを用いて業務負担の軽減や物流の効率化が可能かを検証する予定である。