11:20 AM - 11:25 AM
[1A12P] 帝王切開術後の排尿
Keywords:硬膜外麻酔、膀胱過伸展
【目的】我々は以前の研究で、硬膜外和痛を併用した帝王切開(以下、CS)後には高率に膀胱過伸展を呈している可能性を示した。今回症例を重ね、医療者からの排尿指導により膀胱過伸展の発生が改善したかどうかを検討する。【対象と方法】自施設の助産業務に使用された排尿メモと電子カルテから情報を得た。術後の自排尿開始から24時間以内の最大単回排尿量(以下、VVmax)を排尿の質的指標として採用した。対象となった排尿メモは113件。褥婦の年齢は23-43歳、出産歴は0-2回、CS既往は0-2回だった。予定CSと緊急CSはそれぞれ43例と70例で、術後の硬膜外和痛は94例に行われ、75例では硬膜外和痛を使用したまま自排尿を開始していた。調査期間前半の61例は尿意に従って排尿していたが、後半の52例は助産師より「尿意がなくても3時間程度間隔があいたら排尿する」よう指導された。【結果】VVmaxが600ml超過となったのは、排尿指導を受けなかった群で59%、受けた群で54%といずれも過半数であった。1000ml超過となったのは、それぞれ11%、4%であり排尿指導により減少していた。【結論】早めの排尿を指導することにより著しい膀胱過伸展は減少したが、それでも全体の過半数で過伸展となっている。医療者からの指導のみでは効果は限定的であり、硬膜外和痛を併用したCS後の排尿管理には課題が残る。