11:35 AM - 11:40 AM
[1A15P] 当院で経験した分娩時第4度裂傷修復術の検討
Keywords:経腟分娩、直腸、会陰4度裂傷
4度会陰裂傷は直腸粘膜にまで及ぶ会陰裂傷であり直腸腟瘻などの後遺症の原因となることが知られており、発症の予防や、発生した際の適切な修復が必要である。今回我々は、4度会陰裂傷に対して修復術を実施した2症例および、他院での4度裂傷による直腸腟瘻に対して当院で修復術を実施した症例を経験したので報告する。 <症例1>37歳、2妊0産、前医にて妊娠41週2日に吸引分娩にて分娩に至り会陰4度裂傷を認め当院へ搬送となった。外科医に応援依頼し脊椎麻酔下に会陰裂傷縫合術および直腸裂傷縫合術を実施した。術後経過は異常を認めなかった。<症例2>29歳、1妊0産、前医にて妊娠41週2日で経腟分娩に至り4度会陰裂傷を認め、当院へ搬送となった。外科医に応援依頼し脊椎麻酔下に会陰裂傷縫合術および直腸裂傷縫合術を実施した。術後経過は異常を認めなかった。<症例3>36歳、2妊1産、前医にて妊娠41週0日に吸引分娩にて分娩に至った。4度会陰裂傷を認め縫合を実施され、産褥経過良好のため退院となっていたが、産褥15日目に排便時の腟からの排ガスを自覚したため産褥16日目に前医受診し、直腸腟瘻を認めたため同日当院紹介となった。初診時に肛門から口側2cmの部位に腟との瘻孔を認めた。産褥69日目に全身麻酔下で直腸腟瘻修復術を行った。術後経過は異常を認めなかった。 4度会陰裂傷はより慎重な修復を要し、直腸腟瘻を形成することがあるため、消化器外科医と協力し、修復術を実施することが重要である。