13:15 〜 13:20
[1A19P] 女性の尿道を取り囲む平滑筋と骨格筋組織の3次元的分布の解析
キーワード:尿道括約筋、骨盤底筋、排尿機能
【目的】女性の排尿機能を考える上で、尿道括約筋がどのように作用するかという理解が重要となる。尿道が、平滑筋からなる内縦外輪層と骨格筋からなる外尿道括約筋によって囲まれていることは知られている。しかし、これらの筋の立体的な配置や広がりについては、未だ不明確である。我々は、尿道周囲の平滑筋と骨格筋の筋層構造およびそれらの三次元的配置について、解剖学的解析を試みた。
【方法】本研究には解剖実習体女性5体(平均年齢78.8歳)を用いた。うち2体は尿道周囲、3体は尿道外側の組織ブロックを採集し、厚さ5μmの連続組織標本を作製した。組織標本はEVG染色および抗平滑筋抗体を用いた免疫染色を行い、組織の筋層構造を同定した。さらに、連続組織標本から1mmごとに取り出し、三次元立体構築像を作成した。
【結果】女性の尿道は、内腔側から順に、縦走平滑筋層、輪走平滑筋層、骨格筋層、さらに平滑筋層に囲まれていた。それらの筋層は尿道の部位によって筋層の厚さや形が複雑に入り組んでいた。平滑筋の縦走筋層と輪走筋層は、尿道全長を全周性に囲んでいた。一方、骨格筋層は、尿道の中部において後方の筋線維を欠いた馬蹄形を呈していた。尿道外側では、膣から連続する平滑筋が、外尿道括約筋と肛門挙筋の間に介在しているのが観察された。
【結論】女性の尿道において、高さによって各筋層の配置が異なることがわかった。外尿道括約筋は、独立しているように考えられていたが、平滑筋を介して肛門挙筋とつながっていることが明らかとなった。よって、排尿のコントロールには内外の尿道括約筋による括約作用だけではなく、肛門挙筋の挙上作用も関与していると考えられる。
【方法】本研究には解剖実習体女性5体(平均年齢78.8歳)を用いた。うち2体は尿道周囲、3体は尿道外側の組織ブロックを採集し、厚さ5μmの連続組織標本を作製した。組織標本はEVG染色および抗平滑筋抗体を用いた免疫染色を行い、組織の筋層構造を同定した。さらに、連続組織標本から1mmごとに取り出し、三次元立体構築像を作成した。
【結果】女性の尿道は、内腔側から順に、縦走平滑筋層、輪走平滑筋層、骨格筋層、さらに平滑筋層に囲まれていた。それらの筋層は尿道の部位によって筋層の厚さや形が複雑に入り組んでいた。平滑筋の縦走筋層と輪走筋層は、尿道全長を全周性に囲んでいた。一方、骨格筋層は、尿道の中部において後方の筋線維を欠いた馬蹄形を呈していた。尿道外側では、膣から連続する平滑筋が、外尿道括約筋と肛門挙筋の間に介在しているのが観察された。
【結論】女性の尿道において、高さによって各筋層の配置が異なることがわかった。外尿道括約筋は、独立しているように考えられていたが、平滑筋を介して肛門挙筋とつながっていることが明らかとなった。よって、排尿のコントロールには内外の尿道括約筋による括約作用だけではなく、肛門挙筋の挙上作用も関与していると考えられる。