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[1A22P] 当院における骨盤臓器脱患者に対する骨盤cine MRI検査の有用性の検討
キーワード:骨盤cineMRI検査、骨盤底筋障害、骨盤臓器脱
【目的】骨盤臓器脱(以下POP)手術は腟式手術以外にLSC、RSCを含め術式が多岐に渡り、昨今、高齢患者に対してもその適応が拡がっている。一方で高齢POP患者では、POP-Q stageのみで術式決定する困難さもある。当院では骨盤cine MRI検査の導入を主目的とし、手術適応を判断する上で指標となり得る「下垂臓器」と「骨盤底筋弛緩の程度」を測定し、その傾向を後方視的に評価した。 【方法】2021年5月から2022年5月の期間で、POPを主訴に当院を受診したPOP-Q3度以上の患者33例を後方視的に検討した。患者から同意を得た上で、膀胱内に尿を貯留させた状態で腹圧負荷を指示し骨盤cine MRI検査を実施した。年齢の中央値は74歳(47-88)であり、対象群をA群:74歳未満(n=16)とB群:74歳以上(n=17)の2群に分け、骨盤底筋の障害の程度を恥骨尾骨ライン(PCL)から肛門挙筋板が下方に変化する角度をSagging Angle(SA)と定義し測定した。 【成績】A群のSAは中央値で28.5度(15.4-35.4)、B群は35.4度(19.0-45.9)であり、P=0.058と有意差は無いものの年齢層が高くなる程SAが大きくなる傾向を認めた。さらに手術実施率はA群で6.3%、B群で29.4%と高齢になる程、手術に移行する割合が高まることが明らかになった。 【結論】本検討では、骨盤cine MRI検査を実施できる体制を構築できたことから、今後は各測定指標とPOP重症度の関連を見出し、検査が適切な術式選択の一助となる可能性を明らかにしたい。