4:00 PM - 4:05 PM
[1A30P] sacrospinous hysteropexyの短~中期成績
Keywords:骨盤臓器脱、NTR(native tissue repair)、仙棘靱帯
【目的】仙棘靱帯固定術は本邦で古くから腟断端脱に施行されている術式であるが,近年子宮頸部に固定した方法(sacrospinous hysteropexy)が施行されるようになり良好な成績が報告されている.当院では2021年3月から症例を選んで施行しており、今回短~中期成績を報告する。 【方法】対象は2021年3月から2023年2月までに当院でsacrospinous hysteropexy を施行した25例(24名).sacrospinous hysteropexyのみを施行した症例が8例,腟形成術を併用した症例が9例,頸管切除を併用した症例が10例で,前方から仙棘靱帯へアプローチした症例は8例あった. 【成績】症例の平均年齢は71歳(43-88歳)であった.平均手術時間は39分,平均出血量は19gであった。固定は全例片側で穿刺方法はCapioTMを使用した症例が23例で臀部から2回穿刺して仙棘靭帯に糸をかけた症例が2例であった.術中合併症はなく,術後3か月で膀胱瘤Ⅱの再発が4例,子宮脱Ⅲが1例あった.術後1年では膀胱瘤Ⅱが3例,膀胱瘤Ⅲが1例であった.再発での再手術は1例あった.また頸管切除併用症例で摘出標本の病理結果が悪性であったため再手術を施行した例が1例あった. 【結論】TVMの経験から仙棘靱帯への穿刺は難度の高い手技ではなく,さらにCapioTMを使用すれば容易で併用手術を施行しても短時間で施行でき,合併症も少ないことがわかった.手術適応患者が高齢化しており,侵襲が少ない手術として子宮脱に対してsacrospinous hysteropexyは有用であると示唆される.