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[1A36P] vNOTESによる子宮全摘術はTLHより有意に手術時間が短く、疼痛の訴えも少ない
Keywords:vNOTES 、VASスコア
【緒言】vNOTESは経腟的に腹腔鏡手術を行う、術後疼痛が少ない低侵襲な術式と言われている。実際に患者にとっての利点を検討するため、当院で行ったvNOTESによる経腟的腹腔鏡下子宮全摘(VANH)と従来の腹腔鏡手術であるTLHについて手術成績を比較した。【方法】2021年12月〜2022年12月に当院で行った腹腔鏡下子宮全摘を対象とし、術後12時間と24時間の時点でVASスコアを記録した。VASの記録に不備のあったTLH20例を除外し、VANH 41例、TLH 44例についてVASを比較した。同症例の手術時間、出血量、合併症について後方視的に検討し、有意水準は1%とした。【結果】患者背景(年齢、経産歴、BMI、検体重量、最大筋腫サイズ)に有意な差はなかった。術後12時間のVAS平均値はVANH群0.66、TLH群4.15と有意にVANH群で低値であった(p<0.01)。術後24時間VAS平均値はVANH群0.41、TLH群1.57であり、差は縮まったが優位にVANH群で低値であった(p<0.01)。手術時間の中央値、出血量もVANH群がTLH群に比べ有意に少なかった(p<0.01)。合併症については、尿管損傷は両群ともに1例もなかったが、VANH群で2例の膀胱損傷があった。この2例は導入後半年以内の症例であった。【結論】vNOTESでの子宮全摘術症例ではTLHと比較し、術後の疼痛が軽減し、手術時間が短縮し、出血量が減少した。vNOTESでの子宮全摘は患者にとって低侵襲な術式である。一方で導入期には経腟操作に伴う膀胱損傷のリスクがあるため、慎重に導入する必要がある。