日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

講演情報

一般演題

手術(POP)

LSC RSC

2023年8月5日(土) 17:10 〜 18:05 一ツ橋ホール (日本教育会館 3F)

座長:石川 哲也、森山 真吾

17:30 〜 17:35

[1A48P] 骨盤臓器脱に対するRSCとLSCの適応

○野村 昌良1、大渕 朝日1、大井手 志保1、西尾 浩二郎1、永榮 美香1、常盤 紫野1、林 篤正1、Divina Soliza1、Antonette Pesebre1 (1. 亀田総合病院 ウロギネ・女性排尿機能センター)

キーワード:ロボット支援手術、腹腔鏡、骨盤臓器脱

骨盤臓器脱に対するLSCと2020年に新たに保険収載されたRSCは基本的には同じコンセプトで行われる術式ではあるが、いくつかの違いがある。適応に関してもオーバーラップする部分もあるが、それぞれに向いている症例も存在する。今回、両方の手術を行なっている我々の経験からRSCおよびLSCそれぞれの適応について考察する。我々が感じたロボット手術の最大の利点は、高解像度のカメラと手ぶれのない器具を使用して微細な剥離を実行できることである。 一方、LSC の利点は、視覚と触覚に基づいて比較的大胆な剥離が可能である。すなわち従来の腹腔鏡では剥離プレーンが同定できれば迅速な剥離が可能となる。 剥離プレーンの特定が難しい症例では、ロボット手術の優位性が大きくなる。 さらに、従来の腹腔鏡では、手術中の器具の切り替えがロボット手術よりも簡単かつ迅速である。 それぞれの手術法を決定する際には、それぞれの手術法の利点を考慮して選択する必要がる。 それらを考慮するとRSCに向いている症例の代表的なものは子宮摘出後の膣断端脱であろう。そのほかにRSCに向いている症例は手術の既往や子宮内膜症があり骨盤内の癒着が予想される症例である。さほど癒着もない症例においては通常の腹腔鏡の方が手術時間は短縮し、コストも下げることが可能かもしれない。RSC と LSC は共存し、それぞれにとって適切な適応を考慮すべきである。