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[1A51P] RASCにおけるPSS(Patient Side Surgeon)の役割
Keywords:ロボット支援下仙骨膣固定術、Patient Side Surgeon、骨盤臓器脱
【目的】2021年1月より骨盤臓器脱に対するロボット支援下仙骨膣固定術(RASC)を導入した。当科は、1,000例以上のロボット手術の経験があり、問題なく導入した。導入後、女性泌尿器科診療に関わったことがないPSS(Patient Side Surgeon)が手術を円滑に行うための役割について検討した。 【対象・方法】対象は、POP-Q StageⅢ以上の骨盤臓器脱患者に対して施行した24回のRASCとした。double mesh法を用い、前壁剥離・前壁メッシュ固定後に、子宮を有する症例では子宮上部切断を行い、後壁剥離・後壁メッシュ固定、岬角へのメッシュ固定、腹膜縫合の順に行っている。 【結果】患者の平均年齢は、71.5(±3.8)歳、平均手術時間は、237.6(±40.0)分、平均コンソール時間は174.0(±38.2)分、平均出血量は21.7(±23.8)g、4例が子宮摘出術後であった。LSC経験者がPSSの場合とそうでない場合で比較すると、手術時間は222.7 vs 264.0分、p<0.05、コンソール時間は166.4 vs 197.3、p=0.067であった。術中膀胱損傷を1例、StageⅢの再発を2例で認め、うち1例はポートサイトヘルニアも出現した。術中合併症症例、再発症例は、いずれもLSC非経験者がPSSであった。 【結語】PSSのLSC経験の有無が手術時間や合併症、POP再発に影響した。手術成績の改善を図るため、各ステップの手順書を作成し、PSSがLSCの経験がない場合には、経験者が第二助手を務めるようにしている。