日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

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一般演題

保存的治療(POP)

ペッサリー

Sat. Aug 5, 2023 1:15 PM - 1:45 PM Conference Room 1 (Japan Education Center Level 8)

座長:増田 洋子、古谷 健一

1:15 PM - 1:20 PM

[1B4P] リングペッサリー自己着脱介入前後の排尿・排便症状の変化について

○上原 里枝1、三輪 幸1、西垣 亜衣子1、鈴木 美奈子1、三輪 好生2、山口 昌美2、山口 茜2、加藤 順子3、増栄 孝子4、菊地 美奈5 (1. 岐阜赤十字病院 看護部、2. 岐阜赤十字病院 ウロギネセンター、3. 中濃厚生病院 産婦人科、4. ますえクリニック、5. すごうクリニック)

Keywords:骨盤臓器脱、排尿障害、排便障害

ペッサリー自己着脱患者における下部尿路症状と排便症状の変化 【緒言】骨盤臓器脱には下部尿路症状を高率に合併し、排便症状を伴うことも少なくない。ペッサリーは脱を速やかに修復し自覚症状の改善が得られる有効な治療法である。今回当院でペッサリーの自己着脱指導を行った患者における下部尿症状と排便症状の変化について検討した。【対象・方法】2019年6月から2022年12月までに当院ウロギネセンター自己着脱指導外来を行った患者に対し、下部尿路症状の評価としてIPSS、OABSS、ICIQ-SFを、排便症状の評価としてP-QOLの質問3の排便に関する質問4項目を用い、指導前と指導後1ヶ月で評価した。【結果】評価可能であった症例は74例、平均年齢は65.0歳(31-80)、使用したリングはMilexサポートタイプ48例、リングタイプ26例。治療前後におけるIPSS合計平均の変化は11.7から7.6、OABSS合計は3.7から2.9、ICIQ-SF合計は4.9から3.6 、といずれも有意に低下したが7.9%にde novo SUIを5.7%にde novo UUIを認めた。OABの有病率は35.1%から17.6%に減少した。排便症状に関してはいずれの質問項目においても治療前後で有為な変化は認めなかったが、17.8%で残便感、27.4%で排便困難感、21.9%で排便時の怒責が治療後に悪化していた。【考察】ペッサリーによって多くの下部尿路症状は改善するが、一部の患者で尿失禁悪化に注意が必要である。排便症状の悪化を自覚する患者に対しては自己着脱の利点を生かし排便時にペッサリーを外すような指導も有効と考える。