日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

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一般演題

保存的治療(全般)

保存的管理

Sat. Aug 5, 2023 1:45 PM - 2:25 PM Conference Room 1 (Japan Education Center Level 8)

座長:明樂 重夫、吉川 羊子

1:50 PM - 1:55 PM

[1B11P] 骨盤臓器脱手術を受ける前の教育入院の有効性

○坂元 由紀子1、中田 真木、小関 雅子、江本 明美、小笠原 理沙 (1. 社会福祉法人三井記念病院  看護部)

【はじめに】
骨盤臓器脱の患者は、排尿困難感や感染などのトラブルを抱えている症例が多く見られる。今回、手術前の教育入院を取り入れ、症例に合わせた個別指導を行なったことで術後の良好な経過をたどることができた2症例を報告する。
【症例紹介】
① 79歳女性 左大脳動脈瘤に対し開頭術後。認知機能低下がある患者。2020年7月腹腔鏡補助下子宮全摘+Shull実施。その後膀胱瘤を発症し当院初診。排尿時の外陰部痛、排尿困難感あり。脱出部の自己還納に対する教育入院。患者の理解度を確認し、繰り返し還納方法を指導。
② 77歳女性 橋本病、白内障、副鼻腔炎既往あり。 2015年より膀胱下垂を自覚しペッサリーによるサイズ管理と生活指導を受けたが、2017年12月に自己判断にて未受診となる。2021年1月より再度性器出血・膀胱下垂・膀胱瘤を認め当院紹介。受診時膣より膿排出あり、自己還納不可。感染治療と排尿管理のため教育入院。脱出が著名なため排尿直前の①ガーゼによる圧迫法②タンポン2本挿入による圧迫法を指導。
【結果】 症例①②ともに教育入院から2週間後にVMR手術実施。2症例とも尿中白血球・細菌数は改善し手術に臨めた。症例②は術中膀胱損傷あり排尿開始を通常より遅らせたが排尿開始後の自排尿はスムーズであった。
【考察】
今回、術前より排尿トラブル・感染の症状が強い骨盤臓器脱症例に対し教育入院を行い、安静の必要性と個別性に応じたセルフケア指導のもと、治療に対する意欲が向上した。術前教育入院は心身の準備を整え安定した状態で手術に臨むために有効であると考える。