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[1B20P] 骨盤臓器脱患者に対する理学療法の効果検討
Keywords:理学療法、POP-Q stage、P-QOL
【目的】我々は,骨盤臓器脱(POP)の軽症例ではPOP-Q stageが有意に改善し理学療法の効果が十分期待できることを報告した(第24回日本女性骨盤底医学会)。今回はQOLおよびLUTSの評価も加えて理学療法を介入したPOP患者の転帰を検討した。【対象・方法】対象は2022年1月〜2022年12月に骨盤底リハ外来に来室したPOP新患81例のうち,理学療法のみで治療が完結した38例。診療記録により後方視的に調査した。客観的指標としてPOP-Q stage,Oxford grading scale,主観的指標としてP-QOL,LUTS の評価としてOABSS,ICIQ-SFを用い,介入前後で比較検討した。統計学的評価はWilcoxon signed rank testを用い,p値<0.05を有意差有りとした。【結果】対象者は年齢66.5(10.7)歳,身長154(5.4)cm,体重55.7(6.6)kg。介入期間は2.9(1.9)ヶ月,介入回数は2(0.7)回[mean(SD)]。介入前後のPOP-Q比較(前→後[median])では,Aa(0→-2),Ba(0→-2),C(-3→-4),Ap(-1→-2),Bp(-1→-2),D(-5→-6),OSは(3→3.25)と有意な改善を認めた。P-QOLは,全体的健康感以外のすべての項目において有意な改善を認めた。OABSSおよびICIQ-SFは介入前後で有意差がなかった。【結論】軽度POPに対する理学療法の介入は,解剖学的所見の改善のみならずQOLの向上にも寄与できる可能性が示唆された。