日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

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一般演題

アルゴリズム 治療戦略 指針

POP手術の趨勢と展望

Sun. Aug 6, 2023 8:50 AM - 9:25 AM Hitotsubashi Hall (Japan Education Center Level 3)

座長:平松 祐司、成本 一隆

8:50 AM - 8:55 AM

[2A1P] 子宮温存LSCの初期経験について

○橋本 翔1、大澤 美優1、大日方 大亮1、吉澤 剛1、持田 淳一1、高橋 悟1 (1. 日本大学板橋病院 泌尿器科)

【目的】2011年に米国食品医薬品局(FDA)による経膣メッシュ手術に対する警告が発せられて以降、経膣メッシュ手術は減少傾向となり腹腔鏡下仙骨膣固定術(Laparoscopic sacrocolpopexy:LSC)が広く行われるようになった。一般に、LSCでは子宮を亜全摘するがこと多いが、手術時間の短縮に繋がる工夫として子宮を温存するLSCが注目されている。当院でも2022年8月から子宮温存術式を取り入れており、これまで行ってきた子宮温存式LSCについて治療成績について報告する。
【対象】2022年8月から2022年12月までに当院で施行した子宮温存式LSCの3例。膀胱瘤または子宮脱の単体であること、直腸瘤がないことを条件とした。
【結果】年齢の中央値は72歳。術前のPOP-Q stageはstage2が1例、stage3が2例であり、膀胱瘤が2例、子宮脱が1例であった。手術時間の中央値は123分、出血量の中央値は5.5ml、術後在院日数は6.5日であった。術後平均観察期間は5.5ヶ月で、POP再発やDenovoSUI、DenovoOABを発症した症例はない。当院で今まで行ってきた子宮亜全摘LSCと比較して、排尿機能は同等の成績で、手術時間が短縮傾向にあり、出血量も減少傾向にある。
【考察】子宮温存腹腔鏡下仙骨膣固定術の初期経験について報告した。手術時間の短縮や周術期の合併症の予防につながる術式法として有用であると考えられる。