日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

講演情報

一般演題

病態(POP)

POP 原因と病態

2023年8月6日(日) 13:40 〜 14:00 第1会議室 (日本教育会館 8F)

座長:吉村 和晃、林 篤正

13:45 〜 13:50

[2B10P] 当院骨盤臓器脱患者とサルコペニア有病率

○小島 伸枝1、三浦 理恵2、武田 宏司3、藤井 美穂4 (1. 時計台記念病院 リハビリテーション部、2. 時計台記念病院 看護部、3. 時計台記念病院 消化器内科、4. 時計台記念病院 女性診療科)

キーワード:骨盤臓器脱、サルコペニア、有病率

【目的】
 本邦で骨盤臓器脱(以下POP)患者のサルコペニア有病率の報告は見当たらず,我々は2022年他学術大会にて,当院POP患者のサルコペニア有病率は一般高齢者と同程度または下回ると報告した.本研究ではPOP Stage別サルコペニア有病率を追加調査した.
【対象と方法】
 2017年7月1日~2018年4月30日にPOPと診断された患者のうち,2019年改訂のAsian Working Group for Sarcopeniaの四肢骨格筋量測定,歩行速度計測,握力計測が可能だった62名.四肢骨格筋量はDXA法を用い,骨格筋量指数(以下SMI)を算出.歩行速度は10m自然歩行時間の3回平均速度を,握力は左右各3回,計6回の平均値を算出しStage毎の有病率を調査した.  
【結果】
 StageⅠ:2名,Ⅱ:17名,Ⅲ:22名,Ⅳ:21名に分類され,(StageⅠ以外は平均±標準偏差で表記)年齢(歳)はそれぞれ70.5,68.4±6.3,70.9±8.0,71.2±5.0,握力(Kg)は20.4,22.8±3.9,20.5±5.9,22.3±3.6 であった.歩行速度(m/秒)は,StageⅠ1.2,Ⅱ1.3±0.2,Ⅲ1.2±0.2,Ⅳ1.2±0.1,SMI(kg/m2)はStageⅠ5.6,Ⅱ6.0±0.9,Ⅲ 5.9±0.8, Ⅳ 5.8±0.6であった.サルコペニア有病率(%)はStageⅠ0,Ⅱ 5.8,Ⅲ 13.6,Ⅳ 0だった(p = 0.293,Fisherの正確性検定).
【結論及び考察】
 当院POP患者のサルコペニア有病率は,POPの重症化に伴い上昇する傾向は認められなかった.