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[2B15P] 骨盤臓器脱に対するロボット支援仙骨腟固定術後の排尿状態の変化
Keywords:OAB、RASC、OABSS
【目的】骨盤臓器脱の外科的治療後では,下部尿路症状が改善,増悪する場合がある。ロボット支援仙骨膣固定術(以下,RASC)前後における下部尿路症状の変化について後方視的に検討した。【対象と方法】対象は2020年以降にRASCを施行し下記の解析が可能であった31例。患者背景,尿失禁の有無と尿失禁タイプ,術前後OABSSと重症度分類を検討した。【結果】患者背景:年齢 中央値73歳[56-84],BMI 22.8[18.2-34.2],子宮摘出の既往 6例(19%), POP-Q stageⅡ:4例(13%),stageⅢ:26例 (84%),最大膀胱容量 300ml [100-600],膀胱器質的変化 6例(19%)に認めた。術前に尿失禁を23例(74%)に認め,腹圧性尿失禁(SUI)12例(39%),切迫性尿失禁 4例(13%),混合性尿失禁7例(22%)であった。 術前後の排尿状態の変化:OABSS は術前4点 [0-15]から術後 2点 [0-12]に低下し,OABSS重症度分類の中等症+重症症例数は術前9例(29%)から術後6例(19%)と減少していた。また,RASC術後に尿失禁を認めたのは13例 (41%)に低下した。尿失禁タイプ別の変化としては,混合性尿失禁を含む術前SUI 18例では,術後にSUI改善を10例(55%)に認め,残存 および増悪は8例 (44%)であった。1例にTVTを追加した。【結論】RASC後,尿失禁は全般的に改善傾向が見られ,denovo SUI発生率は5%であった。今後,IPSS-QOL indexや尿流動体検査で排尿困窮度や排出障害に対する客観的評価を加えていきたい。