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[2B16P] 骨盤臓器脱手術は夜間頻尿を改善するのか?
キーワード:ロボット支援仙骨腟固定術、夜間頻尿、体液量
【目的】骨盤臓器脱は夜間頻尿の原因の一つとされるが、睡眠中は脱出臓器は臥床によって還納されていることが多く、また骨盤底の動的変化も少ない。手術による骨盤底の構造的修復が、夜間頻尿の改善に貢献するかを検討した。 【方法】対象は導入から2022年11月までにロボット支援仙骨腟固定術(前/前後メッシュ)を施行した連続260例のうち、術前後のOABSSが得られなかった8例を除外した252例。夜間頻尿を「就寝から起床までに2回以上トイレに起きる(OABSS:Q2 ≥2点)」と定義した。身体所見、併存・既往症、内服薬、血液・尿検査所見、心エコー所見、POP-Q score、尿流測定・残尿測定などから、術後1ヵ月で夜間頻尿が改善しない因子の検索を行った。 【結果】術前に夜間頻尿ありが113例、なしが139例。術後に夜間頻尿の改善を41%(46/113例)、de novo夜間頻尿を13%(18/139例)に認めた。また、BMI <20kg/m2、心疾患の併存・既往あり、カルシウム拮抗薬内服あり、血清Na <143mmol/Lが術後1ヵ月で夜間頻尿が改善しない独立した予測因子であった。なお、POP-Q stageⅣはⅡ/Ⅲより有意に術前夜間頻尿ありの割合が高かったが、術後に改善する割合は差を認めなかった(43% vs 40%)。 【考察】低体重が術後夜間頻尿が改善しない予測因子となったのは、体重に見合わない飲水量による夜間多尿が背景にある可能性があり、血清Naや心疾患の併存・既往も過剰な体液量を反映しているのかもしれない。 【結語】当院のロボット支援仙骨腟固定術は夜間頻尿改善に一定の効果が認められた。