日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

講演情報

一般演題

治療(全般)

尿失禁の治療

2023年8月6日(日) 14:30 〜 15:00 第1会議室 (日本教育会館 8F)

座長:藤原 敦子、岡田 義之

14:45 〜 14:50

[2B22P] ペッサリー留置患者に対する膀胱ボトックス療法の経験

○平間 裕美1、山﨑 真理1、末永 武寛1 (1. KKR高松病院 泌尿器科)

キーワード:膀胱ボトックス療法、骨盤臓器脱、ペッサリー

【背景】ペッサリーで骨盤臓器脱(POP)矯正後も持続する切迫性尿失禁患者2名に対し、膀胱ボトックス療法を施行したので報告する。 【症例1】69歳。X-8年 過活動膀胱(OAB)に対して抗コリン薬による薬物療法を開始したが効果は乏しかった。X-3年 下垂感の自覚あり、台上診でStage2のPOP(膀胱瘤メイン)を認めた。骨盤底筋体操で経過を見ていたがPOP悪化あったためX-2年からペッサリー(キタザト・リングO型60mm)の自己着脱を開始。POP矯正後も切迫性優位の混合性尿失禁は持続しており、本人希望のためX年に膀胱ボトックス療法を施行した。術後2週目でのOABSS totalスコアは術前の10から1へと劇的に改善した。 【症例2】77歳。Y-2年 頻尿・尿失禁に対して抗コリン薬による薬物療法を開始したが効果なく、膀胱造影検査で膀胱瘤を認めたためY-1年に当科外来受診。POPに対しての外科的治療希望はなくペッサリー(キタザト・リングO型60mmで脱落し、キタザト・リングM型65mm)を留置した。さらに抗コリン薬の変更やβ3作動薬を服用しても切迫性尿失禁は持続しており、本人希望のためY年に膀胱ボトックス療法を施行した。術後1週目の受診時に元々少量だった残尿が240mlに増加し、またOABSS totalスコアは8(術前は10)とやや改善にとどまった。 ボトックスの膀胱壁内施注の実施にあたっては、2症例ともペッサリー留置下に行った。膀胱変形などは認めず通常通り外来で局所麻酔下に施行できた。 【結語】ペッサリー留置患者に対して膀胱ボトックス療法を経験した。