日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

Presentation information

一般演題

治療(全般)

尿失禁の治療

Sun. Aug 6, 2023 2:30 PM - 3:00 PM Conference Room 1 (Japan Education Center Level 8)

座長:藤原 敦子、岡田 義之

2:50 PM - 2:55 PM

[2B23P] オブトリクスⅡを用いたTOTの初期経験

○川本 文弥1、安川 流生1、山根 浩史2、村岡 邦康1 (1. 鳥取県立中央病院 泌尿器科、2. 鳥取大学医学部 器官制御外科学講座腎泌尿器学分野)

Keywords:尿失禁手術、オブトリクスⅡ

【目的】演者はこれまでTVTテープの穿刺針を落とし、Emmet針を用いて閉鎖孔にテープを誘導する手技でTOTを行っていたが、2022年度から当院に着任しオブトリクスⅡを用いる方法に変更した。オブトリクスⅡを用いたTOTの初期成績について検討した。 【症例1】特発性血小板減少性紫斑病で加療中。2年前からの頻尿、尿失禁を主訴に受診。パッドテストでは最重症の腹圧性尿失禁SUIと診断し、TOTを施行した。手術時間は44分、出血は少量。術後はパッドフリーとなり経過良好である。 【症例2】両側大腿骨頭壊死の既往あり歩行不能で、BMI 42.2の高度肥満を伴う女性。1年前からの尿失禁があり当科受診。SUIの診断で、TOTを施行した。手術時間は56分、出血は少量。術後失禁は残存するも失禁量は減少し、経過観察中である。 【症例3】硬化性萎縮性苔癬で外用治療中。尿失禁にともなう皮膚症状強く当科紹介。パッドテストでは重症のSUIと診断し、TOTを施行した。手術時間は52分、出血は少量。術後パッドフリーとなり経過良好である。 【考察】オブトリクスⅡを用いたTOTはEmmet針を用いたものに比べ、手技は簡便となっている。前任地での平均手術時間が55分であったことと比較すると、初期症例であるが、同等の手術時間で安全に実施できていると考える。今後も、症例数を重ねて手術時間の短縮、質の向上に努めていきたい。