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[2B24P] TVT手術用キットを用いた自家筋膜尿道スリング手術4例の検討
Keywords:尿失禁防止手術、腹圧性尿失禁
【目的】重症の腹圧性尿失禁(SUI)において、tension-freeではなく圧迫閉鎖を要するスリングが必要な場合や人工材料を使用できない場合などに、自家組織を用いた筋膜スリング手術(AFS)が適応となることがある。我々はTVTキットであるAdvantage TMを用い低侵襲にAFSが可能であることを報告した。現在まで4例のAFSを経験したので適応や臨床経過を報告する。 【方法】対象は2021年3月~2022年11月までに当院でAFSを行ったSUIの4症例。患者背景、手術成績などを後方視的に調査した。 【手術方法】 2x12cmの腹直筋筋膜を採取。経腟的にアドバンテージTMを中部尿道の左右側方から腹直筋筋膜閉鎖部の下側へ向けて穿刺。スリーブ内のメッシュテープを抜去し、筋膜片を充填。中部尿道に筋膜片の中央が接するように誘導し、スリーブを抜去することで筋膜片をスリング状に設置した。筋膜片の両端に運針したナイロン糸を腹直筋上から約2横指分の余裕をあけて結紮固定した。 【結果】年齢70歳(48~74)。AFSの適応は、内因性括約筋不全(ISD)2例、自己免疫疾患合併1例、メッシュテープ露出修復術既往1例。手術時間122分(105-132)、出血量44ml(10-75)、ICIQ-SFは術前15点(10-19)、術後3か月10点(0-13)(全て中央値と範囲)。放射線療法既往のあるISDの1例はSUIが残存したものの、他3例では著明に改善した。周術期合併症は認めなかった。 【結論】TVT手技に習熟している術者であれば本法によって低侵襲にAFSを行うことが可能である。