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[2B28P] 妊娠中の子宮脱の1症例
Keywords:妊娠中の子宮脱、サポート付きペッサリー、自己着脱
【緒言】妊娠経過中に発生する骨盤臓器脱は1万〜1.5万分娩に1例と比較的稀とされている。今回、妊娠第1三半期に発症し、ペッサリー(以下(P))自己着脱で管理した子宮脱合併妊娠の1例を経験したので報告する。 【症例】38歳、G3P2(2回自然分娩)。第2子の妊娠初期に子宮頚部の脱出、出産後Stage IIIの子宮脱あり、自然軽快した。現病歴:妊娠13週1日、子宮頚部の腟口からの脱出と外子宮口からの出血を認め、KITAZATOⓟO型リング(P) 60mm挿入した。3日後、リング内に子宮頚部の落ち込みと充血・腫大あり、使用中止。妊娠15週5日に子宮頸部脱出・充血と多量の出血あり入院、膜付リング(P)であるMilexⓟサポートリング (P) 70mmを用いて、自己着脱の説明と試着施行、着脱可能となり退院。妊婦検診中も自己着脱は継続できた。妊娠18週3日からは(P)なくとも下降せず。以後の妊婦検診は産科的異常なく経過、妊娠40週1日に自然分娩、3408gの男児出産。産後3日目 腟口付近への外子宮口の下降あったが、産後37日目には軽快、以後の下降は認めず。 【考察】妊娠中の子宮脱では、穴あきリング(P)内への落ち込みにより、(P)が無効と判断され、長期入院やトコライシス導入の報告がある。今回、膜付リング(P)により子宮脱の軽快が得られ、外来管理が可能であった。 【結語】妊娠中、特に妊娠初中期の子宮脱に対して、膜付リング(P)は有効な選択肢と考えられる。