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[2B29P] 骨盤臓器脱とGSMを併発した症例
Keywords:個別リハビリテーション、GSM、骨盤臓器脱
【はじめに】今回、難渋したGSM症状を訴える骨盤臓器脱患者に対し、病態説明や医療チームの包括的なアプローチを行い復職可能になった症例を報告する。【症例紹介】年齢50歳代、身長145cm、体重37.1kg、BMI17.4(kg/㎡)、出産29歳、閉経52歳、既往に左乳癌(2017年) 膀胱炎あり。2021年10月より、骨盤臓器下垂感、GSM症状(常時尿意、膀胱・膣の不快感)が出現し休職を余儀なくされ当院受診。骨盤臓器脱(Ⅰ期)の診断あり。【評価】OABSS:2点、尿路感染症なし、排尿時痛あり。呼吸時の左胸郭可動性低下、胸郭右回旋可動域低下あり。骨盤アライメントは後傾位。腹直筋離開2横指。エコー所見:肛門直腸角-恥骨の挙上距離1.9mm。【治療プログラム】#1ストレッチ #2筋力訓練 #3骨盤底筋体操#4病態説明 #5生活指導【結果】治療は、5ヶ月間で6回実施した。OABSS:0点、排尿時痛、膣不快感、骨盤臓器下垂感は消失。呼吸時の左胸郭可動性、胸郭回旋可動域は改善し左右差消失。骨盤アライメントは後傾位やや改善するも残存。腹直筋離開は1横指以下となった。エコー所:肛門直腸角-恥骨の挙上距離5.3mm。【まとめ】本症例は、体幹・骨盤底筋群の機能低下による骨盤臓器脱症状に加え、閉経に伴うGSM症状が出現したと考えた。体幹・股関節周囲の筋力訓練や胸郭・下肢のストレッチ、骨盤底筋体操といった身体機能的な介入に加え、生活指導や病態説明などの包括的なアプローチを行ったことで、復職可能となった。骨盤底機能障害に限らず、GSM症状においても理学療法による介入は有効な治療手段になりうると考えた。