第19回日本LCA学会研究発表会

基調講演

第19回日本LCA学会研究発表会では下記2件の基調講演が予定されています。
LCAに携わる研究者だけでなく、環境に携わる方々、一般の方々にとっても興味深い内容の講演ですので、奮ってご参加ください。

基調講演スケジュール:3月6日(1日目)13:20 – 15:00

 

基調講演「畜産DXの現状」

土肥 宏志 氏

 元国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 所長

概要

 農業DXの定義を「IT技術やロボット技術により農家における省力化や生産性向上を可能とする農業」と狭くとらえた場合、畜産DX技術は他の農業DX技術に比べ、搾乳ロボットに象徴されるように早くから普及している。また、家畜の個体情報をセンサでとらえ、家畜の状態をAIが判断・通知するIoT技術も、現場での普及が進んでいる。今後は、流通や販売(流通DX)、農村振興(農村DX)、農業経営(フィンテックの活用)などのデータ駆動型の技術開発へ、軸足を移していく必要がある。
 

基調講演「家畜排せつ物等を活用した地域資源循環ループの構築」

田島 清 氏

 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 研究推進部 部長

概要

 我が国は、飼料および肥料原料を海外に頼っており、食料安全保障上の大きな懸念となっている。一方、国内に目を向けると、発生する家畜排せつ物量は約8000万トン(令和2年 農林水産省)と考えられ、ここに含まれる肥料成分を有効に活用できれば肥料の自給率は、計算上は大幅に向上できる。家畜排せつ物処理や生産される堆肥の流通等の課題を明らかにした上で、地域資源循環ループを構築する大切さを解説したい。