[IS4-1] ポジティブ心理学の看護への応用
ポジティブ心理学は、個人や組織や地域を、もっと豊かにもっと反映させるにはどうしたらよいかということを科学的にアプローチしたものである。それは退院さえすればよいとか、病気さえよくなれば良いとかだけではなく、その人の幸せや人生の意味までも追求するものである。つまり身体的はもちろん心理的社会的にもよい状態-ウェルビーイング‐を形成するものである。ナイチンゲールは、病気は回復過程である、と述べているが、それは病気であるその人のもともと持っている力を信じているというように考えられる。それはポジティブ心理学の考え方と似ていて、その患者の持っている力、強み(ストレングス)を考えることに通じる。それは従来の問題点に着目して、解決するアプローチを否定するものではない。やはり急性期には、問題解決志向でアプローチすることが大切なのである。それに付け加えて、と考えれば、ポジティブ心理学の視点をもつということは、自分が行おうとする看護をより豊かなものにすると言えるであろう。本講演では、ポジティブ心理学とは何か、看護にどのように活かすことができるかについてお話ししていきたい。