[KR1-1] エビデンスに基づく看護政策の実現に向けて
政策過程におけるエビデンスは、その政策を提案する理由や期待される効果の根拠となるほか、関連するステークホルダーとの調整や施策後の評価等、様々な場面でその役割を果たす。看護においても、エビデンスとして看護の価値や効果が可視化されることで、なぜその政策が必要なのか、それによりどのようなことが期待されるかを説得力ある根拠をもって示すことができ、それらはめざす政策の実現への後押しにもなる。近年、このようにエビデンスを尊重しながら政策を立案していくEBPM(Evidence-based Policy Making)が重視されている。また「Nursing Nowニッポン宣言(2021年1月)」においても、政策・意思決定者へのエビデンスの提供や幅広いエビデンス集積への注力が国内看護系30団体により合意された。これらを踏まえ、看護の政策テーマや課題に応じエビデンスを恒常的に準備できる十分な体制が必要との認識のもと、日本看護協会ではそのあり方の検討を進めている。そこでこのたびはその検討の中で整理されてきた課題を共有するとともに、看護政策に資する看護実践のエビデンスの創出・活用に向けて意見を交え、ともに考える機会としたい。