[KR1-2] 看護政策のエビデンス創出に向けた医療リアルワールドデータ(RWD)の活用:東京大学と日本看護協会の共同研究から
近年、日本でも利用可能な医療リアルワールドデータ(RWD)が増加し、研究活動が活発化している。私からは、看護分野におけるRWD研究が診療報酬改定の根拠資料として活用された事例を紹介し、看護政策形成に資するエビデンス創出の重要性について議論する。また、看護領域におけるRWD研究は萌芽期であり、研究人材も不足するなど、医学・薬学分野に比べ、遅れを取っている。また、既存のRWDには看護に関する詳細情報の多くは含まれていない。このような背景から、2023年から2024年にかけて東京大学と日本看護協会は、以下の2点を明らかにするための共同研究を進めている。(1)既存の医療RWDから、看護実践の実態把握や評価、政策立案に資するエビデンス創出の可能性(2)看護関連のエビデンス創出をさらに推進するための課題この共同研究の成果と、それに基づく課題について情報共有を行い、データを看護政策のエビデンスへつなげる具体的な方策をみなさんと議論したい。