第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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口演

口演10群 看護職の確保・定着

Fri. Sep 27, 2024 2:15 PM - 3:15 PM 第10会場 (中会議室C1+C2)

座長:吉村 浩美

[口演10-3] 看護職確保に繋げるキャリア教育の在り方

―小・中学生対象「助産師の仕事」の評価―

秋山 朋子, 坂本 真理, 和知 綾乃, 与儀 桂 (白河厚生総合病院付属高等看護学院)

【背景】新学習指導要領に「社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるようキャリア教育の充実を図る」とある。小学生からの看護職の仕事体験は、看護職を目指すきっかけになると考え、小・中学生対象「助産師の仕事」を実施した。【目的】「助産師の仕事」の結果から看護職確保に繋げる小学生からのキャリア教育の在り方を検討し今後の事業に活用する。【実践内容・方法】研究デザイン:量的記述的研究研究対象者:仕事体験にA校が出展した「助産師の仕事」を体験した小・中学生35人と保護者研究期間:202X年Y月~Z月データ収集方法:A校と主催者のアンケート用紙を配布し体験後に回収箱に回収した。分析方法:アンケートで得られたデータを単純集計した。体験内容:看護師とペアになり、安全に配慮して行った。手洗いや新生児モデルの抱っこ、バイタルサインの測定、心音聴取、沐浴を行い、自分でできた喜びを実感できるようにした。仕事内容やいのちの尊さを説明し、自分のいのちについて考える機会とした。倫理的配慮:調査の趣旨と協力を口頭と文書で行い、データは統計的に処理し個人は特定されないよう配慮することを説明し、回収箱への提出をもって同意を確認した。B病院倫理審査委員会の承認を得た。承認番号A23-022 【結果】1.小・中学生1)主催者用回収率94%この仕事を選んだ理由は「やってみたい仕事だったから」、体験し「とても楽しかった」、内容は「わかった」、新しい発見や初めて知ったことは「たくさんあった」、大人になったらこの仕事を「とてもやってみたい」が各項目で最も多かった。2.保護者1)A校用回収率100%職業「有り」約8割、就いてほしい職業は「医療・看護・保健」、子どもの進路は「本人の意思を尊重」、家族・親族等の医療従事者は「有」が多く、「看護師」が最も多かった。2)主催者用回収率97%参加させて「大変満足」、参加させた理由は「子どもが参加したいと言ったから」、今後も「参加させたい」が最も多かった。【考察】アンケート結果から、興味のある仕事を体験したことで助産師の仕事に関心を持たせる機会になり、将来助産師になりたいという気持ちが高まったと考える。保護者は、子どもの意思や個別性を尊重し、職場体験等を通して進路を決定させたいと考えていた。子どもが自ら仕事体験の機会を得ることは難しく、学校や企業、保護者の支援が必要である。看護師養成校は、将来看護職を目指す人材を確保するため、小学生の時から看護職の仕事を体験する機会を設ける役割があると考える。専門的な教材を活用した看護職の仕事体験は、子どもの視野を広げる。これは、キャリア教育として重要な役割を果たすと考える。【実践への示唆】看護職確保に繋げるため、地域の小学生を対象とした看護体験や児童クラブと連携した看護学校見学会を開催する。