第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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口演

口演14群 排泄ケア①

Fri. Sep 27, 2024 3:45 PM - 4:45 PM 第8会場 (中会議室E1+E2)

座長:尾形 由貴子

[口演14-2] 訪問看護師が病院との連携に期待すること

ストーマを造設する高齢者の継続看護

杉本 祐智, 印幡 香, 佐伯 朋美, 野村 優斗, 平田 采来, 吉村 愛子, 竹田 万莉 (富山赤十字病院)

【緒言】急性期病院でストーマを造設した高齢者の継続看護を訪問看護師に依頼する際、訪問看護師の言葉からストーマ管理方法の確立やセルフケア指導、訪問看護師への連携が充分ではないと考えられた。今回、訪問看護師がストーマを造設する高齢者のストーマケアの連携において急性期病院の看護師に期待することを明らかにすることで、ストーマケアの質向上や訪問看護師との連携を深める一助になるのではないかと考え本研究に取り組んだ。【目的】訪問看護師がストーマを造設する高齢者のストーマケアの連携において急性期病院の看護師に期待することを明らかにする。【方法】研究デザイン:質的記述的研究、参加者:急性期病院でストーマを造設した高齢者をサポートしている訪問看護師7人、データ収集期間:20XX年6月~9月、方法:独自に作成したインタビューガイドに基づきオンラインで個別にインタビューを行った。録音・録画した内容から逐語録を作成し分類・カテゴリー化した。【倫理的配慮】本研究は、A病院看護部倫理委員会の承認を得て行った(承認番号第23-4番)。【結果】分析の結果、96のコード、16のサブカテゴリー、5つのカテゴリー<急性期病院で行われていたストーマケアを在宅に安全につないでほしい><入院中のストーマケアの情報を正確に提供してほしい><退院直後に看護師間でストーマケアを共有する場を設けてほしい><在宅ストーマケアの充実を一緒に図っていきたい><訪問看護師の立場としての思いを知ってほしい>が抽出された。【考察】訪問看護師はストーマを造設する高齢者がその人らしく生きていくために支援する立場であり、患者や家族の代弁者として急性期病院の看護師には在宅の生活をイメージしてほしいと望んでいると考えられた。医療と生活の両方の視点から患者や家族を支援する<訪問看護師の立場としての思いを知ってほしい>という期待は、ストーマを造設する高齢者が入院中から在宅療養に移り変わる経過において訪問看護師がもつ<急性期病院で行われていたストーマケアを在宅に安全につないでほしい><入院中のストーマケアの情報を正確に提供してほしい><退院直後に看護師間でストーマケアを共有する場を設けてほしい><在宅ストーマケアの充実を一緒に図っていきたい>の期待の根幹に関わるものと考えられた。【結論】訪問看護師がストーマを造設する高齢者の連携において急性期病院の看護師に期待することは、急性期病院で行われていたストーマケアを在宅に安全につないでほしい、入院中のストーマケアの情報を正確に提供してほしい、退院直後に看護師間でストーマケアを共有する場を設けてほしい、在宅ストーマケアの充実を一緒に図っていきたい、訪問看護師の立場としての思いを知ってほしいの5つのカテゴリーに集約された。退院後の生活をイメージしたストーマケアや訪問看護師と連携し継続看護の充実を図る必要性が示唆された。