第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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口演

口演3群 看護職・多職種との協働①

Fri. Sep 27, 2024 11:15 AM - 12:15 PM 第8会場 (中会議室E1+E2)

座長:坂本 貴子

[口演3-1] COVID-19クラスター派遣活動を行った感染管理認定看護師の体験

林 智世1, 新居 晶恵2, 今井 可奈子3, 谷 眞澄3, 原 康之4, 宇野 智行4, 中井 芳5, 田辺 正樹1 (1.三重大学医学部附属病院, 2.三重県立看護大学, 3.三重県看護協会, 4.三重県医療保健部, 5.三重県津保健所)

【緒言】COVID-19への対応にあたっては、全国各地で感染管理認定看護師(以下、CNIC)が自施設で活動するほか、地域におけるクラスター対応支援など、様々な場面で活動を行った。派遣されたCNICの実践報告は散見されるが、CNICの実体験の詳細については十分に分析されていない。【目的】 A県の施設等で発生したCOVID-19クラスター事例に対し、派遣されたCNICの体験から実際の活動内容や思い、CNICとしての役割を明らかにすることである。【方法】 研究デザインは、振り返りによる質的記述的研究である。研究への協力は自由意思に基づくこと、協力しない場合の不利益はないことを説明文書に記載した。クラスター対応に派遣されたCNIC19名のうち、同意が得られた9名に対し、202X年X月~4か月間に半構造化面接を実施した。現場の状況、実際行った活動、活動を行った際の思い、CNICとしての役割など対象者の自由な語りをもとに認識や感情を確認した。逐語録を作成し、意味のあるまとまりごとに区切りコード化を行った。次に、意味の類似したコードを集め、サブカテゴリーを抽出し、さらに抽象化をすすめてカテゴリー、コアカテゴリーを抽出した。 本研究はB病院倫理審査委員会の承認を得た(承認番号U2022-028)。【結果】1.対象者の概要 CNIC9名はすべて病院に所属しており、看護師経験年数は中央値24年5か月、CNICとしての経験年数は中央値8年6か月であった。勤務形態は、専従7名(77.8%)、兼任2名(22.2%)であった。派遣回数は、1回1名、2回2名、5回1名、7回1名、9回1名、13回1名、16回2名とばらつきがみられた。2.CNICの体験 抽出された体験は、5コアカテゴリー、12カテゴリー、50サブカテゴリーに分類された。コアカテゴリーとして、【クラスター対応によるCNICとしての成長】、【クラスター対応チーム力の実感】、【クラスター対応においてCNICに求められる能力の発揮】、【クラスター派遣でのCNICの役割発揮上の葛藤】、【経験を活かしたCNICとしての今後への取り組みの明確化】が抽出された。【考察】 派遣されたCNICはクラスターでの活動を通じて、「クラスター現場を体験、経験することでのCNICとしてのスキルの向上」を実感、期待していることが分かった。また、「クラスター対応におけるCNICとしてのコンピテンシーの活用」、「先を見据えた関係機関、地域施設・病院とCNICとの連携強化」が必要であると考えていた。【結論】 202X年X月~22か月間にA県の施設等で発生したCOVID-19クラスター事例に対し、派遣されたCNICの体験から実際の活動内容や思い、CNICとしての役割を明らかにした。次のパンデミックに備え、CNICの育成・強化とともに、平時から県庁、関係機関、地域の施設・病院とCNICとの連携が重要と考えられた。 本研究は、公益社団法人日本看護協会感染拡大に備える看護提供体制の確保に関する調査研究助成を受けて実施した研究の一部である。