[ポスター1-2] 一般病棟における急変事例の分析
~NEWSとABCDEアプローチの視点から~
【目的】急変前~急変時の観察について、A病院B病棟の現状を明らかにする。【方法】202X年4月1日~2年間。B病棟に入院した患者のうち、集中治療やコードブルーを要した全36事例中、除外基準の事例を除く17事例を対象とした。急変前~急変時のNational Early Warning Scoree(NEWS)の点数(ケアシートから集計)と、看護記録をABCDEアプローチに基づいて分類しデータを抽出後、双方の視点から事例を分析し、急変前~急変時の観察についてB病棟の現状を明らかにした。本研究は、NEWS7項目の点数より、1点以上の項目を陽性、0点の項目を陰性として抽出した。倫理的配慮:本研究はA病院における看護部研究委員会の倫理審査の承認を得て実施した。【結果】NEWSより、急変前兆候として表れる頻度の高い項目は「収縮期血圧」51%、「呼吸回数」「SpO2」が41%であった。急変時は、「収縮期血圧」76%、「呼吸回数」「意識状態」が65%であった。看護記録より、急変前はC(循環)に関する記録が59%、B(呼吸)が53%、D(意識)が41%の順で多かった。急変時は、C(循環)とD(意識)が94%、B(呼吸)が76%であった。NEWS陽性項目に対して、B(呼吸)は6例、C(循環)は3例、D(意識)は6例、E(体温)4例が、看護記録に記載されていなかった。しかし、バイタルサインや意識レベルの変動がケアシートに記録されており、NEWSの陽性項目が観察されていた。NEWSの陽性項目と看護記録を比較すると、酸素や薬剤投与によりNEWS陽性項目が急変時にかけ陰性化する場合があることが明らかになった。【考察】B病棟看護師は、急変前から急変時においてNEWS陽性項目として表れる頻度の高い項目を捉えた看護記録の内容となっており、急変前兆候を見逃さず状態観察が出来ていたと考えられる。NEWSの陽性項目に対して、ケアシートにバイタルサインや意識レベルの変動が記録されており、内容が重複してしまうため看護記録に記載されなかったと考える。酸素投与等の対応により陰性化しているNEWS項目があり、患者の重症度が反映されにくい状況もあると考えられる。【結論】1.B病棟は、急変前兆候として「収縮期血圧」、次いで「呼吸回数」「SpO2」のNEWSの項目に変化が現れやすい。2.B病棟看護師は、急変前から急変時にかけNEWS陽性項目を捉えた観察が出来ていた。3.NEWSの点数変化が乏しく、患者の重症度が反映されにくい場合もあるため、客観的データやそれらを基に、患者の身にどんなことが起きているのかアセスメントし、早期に対応していくことが必要である。