第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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ポスター

ポスター1群 看護記録

Fri. Sep 27, 2024 11:15 AM - 12:15 PM ポスター会場 (展示ホール)

座長:山本 都江

[ポスター1-4] 急性期内科病棟看護師の患者情報収集スキル

後藤 悌嘉, 廣瀬 えり奈, 吉武 久美 (長崎県島原病院)

【緒言】看護師の時間外労働では、業務開始前、いわゆる前残業や自宅への持ち帰り業務、勤務時間外での研修参加等、可視化されていない時間外労働の実在が指摘されてきた。前残業で行う業務の内容について調査した報告では、情報収集、点滴準備、同僚・先輩への気遣い、内服薬確認などが原因として挙げられておいる。中でも「情報収集」が最も時間を要しており、個人で収集する情報にもばらつきがあったと報告されている。【目的】ベテラン看護師が実践している電子カルテから患者情報の収集を効果的に実施するためのスキルを明らかにすること。【方法】調査期間: 200 X年12月~200Y年2月対象:看護師経験年数5年以上かつ、当該病棟での経験年数が3 年以上の看護師データ収集方法:年代、性別といった対象者属性をフェイスシートにて聴取した後、実際に電子カルテを操作してもらい勤務前の情報収集において閲覧する項目を開いてもらう。また、その項目についてどのような意図で情報を収集しているのか聞き取りを行い手順についてまとめ、効果的な情報収集の手順について分析する。倫理的配慮:A病院の看護研究倫理審査委員会の承認(承認番号5A第233号)を得た。対象者に対して、意義、目的、方法、参加は任意であることを説明し同意を得た。尚、本研究において利益相反関係にある企業などはない。【結果】対象となった看護師は5名で、20代2名、30歳1名、40歳代2名であった。5名全員が最初に閲覧する項目として医師が記載した診療記録を上げた。患者の治療の経過や入院に至った経緯について情報収集し、その後、熱型表を確認しバイタルサインや症状の有無を確認することで患者の病態を把握していた。その上で、看護記録を2~3日ほどさかのぼって閲覧し現在のADLや患者の人となりを把握していた。当日実施すべき点滴や処置などは患者の病態を把握した後に情報収集していた。【考察】ベテラン看護師は就労開始時の情報収集の際、まず患者の病態を把握できるような項目を閲覧していた。患者の病状を把握したうえで、患者の人となりやADLに関する情報収集を行いどのように看護を提供するかをアセスメントしていた。経験の浅い看護師は、受け持った患者の処置やケアが漏れない事を重要視して情報収集を行うであろうことは容易に想像できる。しかし、まず患者の病態を正しく把握することがそういった事態を予防し、安全で質の高い看護の提供につながることが示唆された。【結論】1.ベテラン看護師は患者の病態を把握したうえで、患者の人となりや実施すべき処置などについて情報収集を行い、どのように看護を提供するかをアセスメントしていた。