[ポスター2-3] 看護師の接遇に対する意識向上への取り組み
A病棟における接遇の意識変化について
【背景】 202X年、面会制限も緩和となり、看護師は患者だけでなく家族対応をする場面も増えてきた。それに伴い、家族対応に対して不安を訴える看護師も増加していた。それは面会制限をしていたことで、患者、家族対応をする場面が減っていたためではないかと考える。また、患者からも接遇に対する意見もみられた。そのため、患者や家族に対し接遇ができていない具体的な内容を調査し改善策を行う事により、看護師の接遇の意識を高めていく事が必要であると考えた。【目的】 接遇に関する看護師の現状を明らかにし、接遇に対する意識の向上を図る。【実践内容、方法】 対象はA病院A病棟看護師34名とし、202X年7~11月にアンケート調査と勉強会、ポスター掲示を実施した。A病院の研究倫理審査委員会の承認を得て、参加は自由意志であることとした。また、目的と内容、収集したデータは本研究以外で使用しない事を参加者には文書で説明し同意を得てから行った。【結果】 前期アンケート22項目のうち、6項目が「できていない」と回答している割合が多かった。その6項目に対し勉強回やポスター掲示、週一回のアンケート調査や毎日の目標設定と振り返りを実施した。その後、前期アンケートと同じ内容のアンケートを再度実施した。後期と前期のアンケート結果を比較すると全体を通して「できている」と回答している人の割合は平均して11%増加していた。しかし、「忙しくても落ち着いた態度で患者に接していますか」の項目においては、前期では「できている」57%「できていない」43%であったが、後期では「できている」「できていない」と回答した割合は半数となった。【考察】 全体を通して「できている」と回答している人の割合は増加したのは、できていない項目に対して繰り返しアプローチしたことで接遇に対する意識付けに繋がったのではないかと考える。しかし、唯一「忙しくても落ち着いた態度で患者に接していますか」においては「できている」「できていない」と回答した割合は半数であった。これはA病棟の特徴として、急性期病棟であり、日々入退院、手術件数も多く接遇に意識が回らないのではないかと考えられる。【実践への示唆】 今回の研究では評価方法が主観的なものであったため、他者からの評価も取り入れることにより自身では気づけない点へのアプローチができたのではないかと考える。また、多忙な中でも看護師一人ひとりが接遇を意識した行動ができるような関わりが必要である。その取り組みとして、チーム間で患者を取り上げ事例検討会を行い、定期的に振り返りを行っていくことがあげられる。相手の気持ちに寄り添った接遇を提供するためには、病棟看護師だけではなく、病院全体の他職種も含めた全スタッフが接遇への意識を高めていく取り組みも必要だったのではないかと考える。