[ポスター5-4] A病院の救急外来における救急救命看護技術の向上を目指して
シミュレーショントレーニングと振り返りを継続して
【緒言】シミュレーションは、臨床における実践力を育成、向上する有用な教育方法といわれている。今回、継続して行うことの有用性を検証したい。【目的】A病院の救急外来では、心肺蘇生時に救急救命処置技術が高い看護師が率先して実践する傾向があった。看護師全員が役割を担えるよう、シミュレーションと振り返りを継続して実施し今後の示唆を得る。【方法】対象:救急外来の看護師21名。方法:1(1)タスクトレーニング(2)アルゴリズム勉強会(3)心肺蘇生シミュレーショントレーニング(以下シミュレーションとする)の開催。2シミュレーション後、振り返りの実施。振り返り後、感想を聞き取り調査。3救命看護処置技術の評価。ナーシングスキル®の救命救急処置技術①心肺蘇生法34問②気管挿管の準備と介助39問③除細動27問のチェックリストを5段階リッカート尺度に構成し2か月おきに計5回、自己評価。分析:(1)聞き取り調査内容をコード化し、サブカテゴリー、カテゴリーに分類(2)救命救急処置技術チェックリストの結果を評価。A病院の倫理委員会の承認を得ている。【結果】シミュレーションは、5事例、計21回実施。199の聞き取り調査内容から239コード、12サブカテゴリー、4つのカテゴリーを抽出し、前期、中期、後期に分類。前期は自己の内省に対するコード、中期はチーム連携の大切さやシミュレーションの効果に対するコード、後期は自身とチームメンバーの能力向上の手応え、シミュレーション継続による成果のコードが多く語られた。救命救急処置技術チェックリストの結果は、前期から中期までは、どちらでもない、あまりできないとの評価があったが、最終評価時は全ての看護師が全項目できる、ややできると評価した。【考察】シミュレーション、振り返りを継続して行うことは、様々な役割や具体的な体験ができ、様々な気付きや自己の省察ができ、学び得た内容を次のシミュレーションで試行し、自己研鑽に励むことができるのではないかと考える。回を重ねるごとに救命技術が身についたという実感が、研究結果にも現れている。また、聞き取り調査結果から、自己の救命技術の向上の実感、他者からの肯定的な意見や、チームの中で役割を果たせるという実感は、できるという評価に繋がっていると考える。シミュレーションで、相互に補完すること、コミュニケーション、相互支援能力、チームワークといったノンテクニカルスキルについても学び、チームの中での役割の理解、チーム連携という視点での行動変容にも繋がると考える。救急外来では、学んだ知識や技術をすぐに実践で活かせるという現場の体験があり、その現場での体験は、救命技術への自信やフィードバック内容の理解となり、実践で生かせる知識や技術の獲得に繋がると考える【結論】シミュレーションや振り返りを継続することで、救命看護技術が向上し、実践で生かせる救命技術を獲得したという実感をもてる。