第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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ポスター

ポスター51群 看護基礎教育①

Sun. Sep 29, 2024 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (展示ホール)

座長:花井 理紗

[ポスター51-6] コロナ禍を経た看護学生の自己効力感の特徴

宮内 順子1, 山下 亜矢子2 (1.久木田学園看護専門学校, 2.鹿児島大学医学部保健学科)

【緒言】看護学生は、臨地実習後に自己効力感が高まることが明らかにされている。しかし、コロナ禍を経た看護学生の自己効力感の特徴やこれらを考慮した教育方法に関する研究はわずかである。コロナ禍を経た看護学生の自己効力感の特徴を明らかにすることは、今後のよりよい看護教育や、コロナ禍と同様の状況下の教育に役立つと考える。 【目的】コロナ禍を経た看護学生の自己効力感の特徴と、自己効力感が高まる教育場面や教育方法について明らかにすることである。 【方法】本研究のデザインは横断調査である。看護専門学校1校に在籍する1年から3年生の看護学生を対象とし、Webにて無記名自記式調査を202X年7月に実施した。調査項目は、基本属性(学年)、特性的自己効力感尺度(成田,1995)、自己効力感が高まった教育場面や教育方法、自己効力感を高めた教員の言葉(自由記載)等である。量的データはExcelにて単純集計、自由記載内容は質的記述的に分析を行った。倫理的配慮として、A大学の倫理審査委員会の承認を得て実施した(通知番号:2023―28)。 【結果】調査の結果、28名(回収率38.9%)より協力が得られ、1年生13名(59.1%)、2年生6名(20.6%)、3年生9名(34.6%)であった。自己効力感の全体の平均得点は67.1±13.5を示し、2年生は62.50±5.7と最も低かった。自己効力感を高められた教育場面があったと回答した19名(67.9%)は、臨地実習(7名:36.8%)、看護技術演習(6名:31.6%)を選択していた。また、自己効力感を高めた教員の言葉があると回答した12名(42.9%)の自由記載内容を分析した結果、《努力》《成長》《関り》を認める言葉の3カテゴリーが示された。【考察】本調査にて、自己効力感の得点は全体で低く、2年生の得点が最も低かった。1年生は見学実習のみで今後への期待が高く、2年生は実習への不安が強く、3年生は実習で得た成功体験や達成感があると推測される。2年生では、自己効力感を高めるとされる主体的学修活動、教員の肯定的指導、学生のレジリエンスを高める支援がより必要である。また、看護学生の学修意欲と自己効力感に関連があることから、コロナ禍による授業形態の変化が学修意欲に影響を及ぼし、自己効力感が低かったと推測される。今後は、学修意欲を促進・阻害する要因を分析・評価すると共に、ブレンド授業などの積極的な導入が必要である。 【結論】コロナ禍を経た看護学生の自己効力感は、2年生は低く、全体的にも低い結果を示した。看護学生の学修意欲の向上、看護技術の習得、主体的学修活動、教員の肯定的指導、学生のレジリエンスを高めることにより自己効力感を高める必要がある。今回、対象校は1校であるため、データに偏りがあることが研究の限界である。