第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム1 新たな災害支援ナースの活動に向けて

2024年9月27日(金) 14:00 〜 15:30 第1会場 (メインホール)

座長:松本 珠実

講師:藤田 典子・庄司 育代・長谷川 勇希

[SY1-2] 災害支援ナースを派遣して思うこと

庄司 育代 (紀南病院看護部長)

三重県では、南海トラフ巨大地震が近く発生すると言われており、能登半島地震は決して対岸の火事ではなく、当地域でも甚大な被害が想定されている。当院は紀伊半島の三重県最南端に位置し、人口34,000人の地域住民の医療を担う地域唯一の中核病院で、災害拠点病院としての役割も担っている。今回発生した能登半島地震では当院の災害支援ナースを2名派遣し、様々な経験ができたと考えている。災害支援ナースによる活動は、自己完結型を基本としているため、各自が被災地に多くの荷物を持参する必要があり、三重県看護協会が他施設の災害支援ナースとペアで参集できるよう調整があったことで速やかに派遣できたと考えている。また、派遣時には勤務調整から必要物品の準備等、自施設の理解が重要であると考える。新たな災害支援ナースの活動要領では、参集時は公共交通機関を利用して移動となっており、県と看護協会の派遣調整がさらに重要で各施設の対応も難渋することが予想される。締結後も平時から県と看護協会と連携体制を強化し、災害時の医療提供体制を深め、災害時の対応を今後も検討していく必要があると考える。