[SY3-2] 健康危機に強い地域づくりを考える
保健所は公衆衛生の維持と向上を目的とし、地域の関係機関と連携して、医療提供体制の構築、健康づくりや感染症対策、食品の衛生管理等環境衛生対策の役割を担い、地域社会の健康を守る重要な機関として機能している。地震や水害等の自然災害及び感染症によるパンデミック発生時、保健所は地域の公衆衛生対策の中核として対応したが、需給バランスが大きく崩れる事態を前に、人員不足や専門性の確保、BCP(業務継続計画)の徹底、情報共有や連携の不足などの課題に直面した。これらの課題を踏まえ、保健所が健康危機に強い地域づくりを進めていくために取組むべきことは、事前の計画策定や訓練の実施、デジタル技術の活用等による保健所の緊急時対応力の強化である。さらに、地域の関係機関と連携を強化し、高齢化社会や多文化共生社会に対応した持続可能な健康施策の推進、健康づくりのための環境整備、地域住民の健康に関する自主的な取組みの支援を行うことで、地域の健康度を高め、健康危機に対するレジリエンスを向上させることが重要である。これらにより、安心して暮らせる地域づくりに貢献していくことが求められる。