第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

交流集会

交流集会3 看護専門職としての倫理観の醸成に向けて
~「看護職の倫理綱領」を活用した教育支援~

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 第2会場 (国際会議室)

座長:森内 みね子

講師:久保 祐子・吉岡 幸・千葉 美恵子

[KR3-3] 看護専門職としての倫理観の醸成に向けて
~「看護職の倫理綱領」を活用した教育支援~

千葉 美恵子 (札幌市病院局市立札幌病院看護部長)

【抄録】
 医療は高度化し、保健・医療・福祉をとりまく環境は目まぐるしく変化している。さらに、生命や生活に関する価値観は多様化し、看護職は臨床において多くの倫理的課題に直面している。
 自施設では、日常的に発生する倫理的課題に対し、カンファレンスや事例検討において、対立 する価値や看護の方向性を検討している。患者・家族・関係する人々にとって最善と思われる決定を導きだす過程で、迷い、考える際の拠り所となるものとして、「看護職の倫理綱領」や自施設で作成した倫理指針を活用している。倫理指針は、日本看護協会が社会的責任、職業倫理を行動規範として明文化した「看護職の倫理綱領」を基に作成したものであり、自施設が提供する医療における必要な領域別指針(周産期看護・小児看護・救急看護・移植看護・終末期看護・精神科看護)を含む。
 倫理観の醸成には、倫理的意思決定の基盤となる倫理教育と同時に「価値」を語り、「対話」を育む組織文化・風土が不可欠である。看護が専門職としての責任を果たすために、両輪を機能させたマネジメントが重要と考える。