第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

都道府県看護協会公募企画

都道府県看護協会公募企画④:大阪府 経験と勘に基づくケアから科学的エビデンスに基づくケアへ変換!!

2022年11月8日(火) 11:30 〜 12:30 第2会場 (国際会議室)

座長:高橋 弘枝

講師:小川 真里子・坂田 薫・松本 勝

[LK4-1] エコーでの可視化を活用した訪問看護の療養支援

小川 真里子 (よどきり医療と介護のまちづくり株式会社マネジャー)

【抄録】
 訪問看護では、複数の疾病や障がい、生活環境に起因した排泄の課題をもつ在宅療養者に対して解決に向けたケアを行っている。一方で、フィジカルアセスメントの限界等により、解決できないことへの課題認識も持っている。2019 年、エコーを用いて可視化し、エビデンスに基づいた排泄ケアができることを知り、大阪府看護協会において開催された「便秘評価のためのエコーによる大腸観察用教育プログラム」に参加した。研修に先立ち、当社の事業目標として「排泄ケアは苦痛や羞恥が伴うため、ケア実施の判断はエコーを用いた客観的アセスメントを根拠とすること」「当社のすべての看護職者がエコーを用いた排泄ケアを実施できること」を掲げた。可視化による排泄ケアは、在宅療養者のセルフマネジメント力の向上、排泄による生活への支障の改善等の成果に表れた。また継続的なエコーの実施は、排泄障害によって疾病の悪化をきたしていた状態の改善、保持につながることも経験した。
 今後訪れる生産人口減少と高齢化率上昇に備え、聴診器のようにエコーを用い、効果的・効率的な看護ケアを実践する人材育成を目指した当社の取り組みを紹介する。