第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

Presentation information

ポスター

ポスター1群 在宅療養移行支援①

Tue. Nov 8, 2022 11:30 AM - 12:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:村松 裕子

[ポスターM-1-5] 包括転床チェックリスト・包括転床サマリ開始後の変化

-看護師の意識調査を行って-

宮本 花奈子1, 山口 麻衣1, 大川 香代子1, 松田 安江1, 楠本 直美1, 山村 緑1, 梅原 千佳子1, 石垣 恭子2 (1.佐世保中央病院, 2.兵庫県立大学大学院応用情報科学研究)

Keywords:地域包括ケア病棟、退院支援、包括転床サマリ

【抄録】
【目的】情報共有を円滑にするためのツールとして包括転床チェックリスト、包括転床サマリ(以下、チェックリスト、サマリと称す)を2年前に導入。しかし、患者を受け持つ中で情報不足による戸惑いを感じ転床前の病棟へ問い合わせることがあり業務負担となっている。チェックリスト・サマリの有用性や内容は妥当であるかを見直し、業務改善に繋げる。【方法】質問紙法。質問調査用紙は、自記式及び自由意志であり回答内容によって個人が不利益を受けないこと明示。地域包括ケア病棟看護師20 名、急性期看護師60 名にアンケートを実施し、回収率・回答率は共に100%であった。地域包括ケア病棟へチェックリスト・サマリを導入し情報共有が円滑になったか、追加項目の希望を調査。また、先行研究にてチェックリスト・サマリを導入する前、導入後2ヶ月が経過した際に患者を受け持つ中でどのような場面で負担を感じるかアンケートを行っている。本研究でも同様のアンケートを導入後2年時点で実施し、導入後2ヶ月と、2年後の結果を設問毎に対応のないt 検定を実施。急性期病棟へは、チェックリスト・サマリの使いやすさや追加項目の希望を調査。【結果】地域包括ケア病棟へのアンケート結果、改善して欲しい点があるかの質問にサマリは75%、チェックリストは90%が「いいえ」と答えている。サマリ・チェックリストを導入して転床がスムーズになった人は80%、チェックリスト活用で情報収集が効率的になった人は90% であった。先行研究と本研究のアンケート結果を検定にかけたところ、内服薬のチェック、看護診断の評価・引き継ぎ、転床目的に関する情報提供、食事動作、排泄動作の項目について、有意水準5%で有意差がみられた。急性期病棟へのアンケート結果では、サマリは98.2%、チェックリストは94.4% が使いやすいと答えた。内容を改善して欲しいと言う意見は聞かれなかった。【考察】アンケート結果を見ると、チェックリスト・サマリを導入する前と比べると情報共有が円滑になっているが、情報の不足を感じることもあるようだ。介護度の高い患者や終末期の患者においては、文字だけでは分かりづらい部分や詳細な情報を得ることに限界がある。情報を得る手段として転床迎えに行った際の、口頭での申し送りや他職種との連携を密に行っていくことで、必要な情報をより効果的に収集し継続した看護が行えると考える。