第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター10群 チーム医療

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:阿久津 美代

[ポスターM-10-1] 地域包括ケア病棟における看護師と介護福祉士の協働による急変時シミュレーション研修の実態調査

-チームダイナミクスの視点から-

窪田 雅江, 秋元 恵子, 石田 一美 (北陸中央病院)

Keywords:急変時シミュレーション研修、看護師、チームダイナミクス、介護福祉士、協働

【抄録】
【目的】A 病棟は地域包括ケア病棟で、看護師と介護福祉士の協働による対応が必要である。2020 年、第1 報の研究「夜勤帯を想定した看護師と介護福祉士の協働による急変時シミュレーション研修の効果」より、急変対応時にはスタッフ個々の能力のみならず、互いの役割把握や明確な指示だしなどチームとしての機動力が影響していることが示唆された。そこで、第2 報として、チームダイナミクスの視点から急変時シミュレーション研修の実態調査に取り組むことで、チームとしての現状と課題を明らかにする。【方法】対象はA 病棟に勤務する看護師・介護福祉士。研究目的を明確化し、チームダイナミクスの勉強会後、3名1組(看護師1名はリーダー・看護師1名と介護福祉士1名はメンバー)でシミュレーション研修を実施した。その後、デブリーフィングを行い、チェックリストで自己評価した。チェックリストはチームダイナミクスの3つのカテゴリー(役割・内容・方法)を参考に、リーダー、メンバーの行動が網羅できるよう独自に作成したもので5段階評価とした。統計解析は2群間ではマン・ホイットニー検定、3群間ではクラスカル・ウォリス検定を用いた。倫理的配慮としては所属施設の倫理審査委員会承認後、対象者に研究の目的、参加は自由意思であり断っても不利益は生じないことを書面で説明し同意を得た。【結果】有効回答率100%。対象は看護師17 名(A病棟でリーダー経験2年以上10 名・以下経験群、A 病棟でリーダー経験1年以下または未経験者7名・以下経験少群)介護福祉士8名・以下介護士群。リーダー役では、経験群と経験少群の総合計点数で、有意差(P < 0.05)が認められた。カテゴリー別にみても経験群で点数が高い傾向にあり「役割」で有意差(P < 0.05)が認められた。メンバー役では、経験群と経験少群、介護士群で、統計学的有意差には届かなかったが、経験群で総合計点数が高い傾向となった。【考察】経験群は、日頃の経験値もあり、チームダイナミクスの要素を理解し行動している。一方、経験少群と介護士群は、経験群の指示に従えるが、チーム内での自分の役割理解が不足しているといえる。今後の課題として、経験少群や介護士群においても、チームダイナミクスの視点をもち行動できるよう、継続的な急変時シミュレーション研修に加え、臨床の場で日頃から実践できるシステム作りが必要だと考える。