第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター11群 在宅療養移行支援③

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:和田 みどり

[ポスターM-11-6] 訪問看護ステーションに在籍する皮膚・排泄ケア認定看護師が果たす役割

-在宅褥瘡患者事例からの考察-

大友 ゆきえ (在宅療養支援ステーション楓の風世田谷サテライト)

Keywords:訪問看護、皮膚・排泄ケア認定看護師、役割

【抄録】
【目的】在宅療養する褥瘡患者事例を振り返り、訪問看護ステーションに在籍する皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN)が果たす役割を明らかにすることを目的とした。【方法】事例研究。対象者に個人情報に配慮し学会で公表することを説明し同意を得た。電子カルテから看護師の行った介入を抽出し分析考察する。A 氏、80 歳台、女性。脳梗塞の既往があり、日常生活自立度C2 で意思疎通は困難であった。主介護者は子どもで、デイサービスを利用していた。仙骨部にDESIGN-R 評価d2 の褥瘡有り。褥瘡の治癒と再発を繰り返し、訪問看護導入となる。【結果】受け持ち看護師と交代でWOCN も訪問し、ケアを実施した。受け持ち看護師は、褥瘡再発の原因や、栄養状態の評価、改善策が見いだせない状況にあった。介護者は長年介護を行ってきた自負があり、ケア変更の受入れが困難な状況があった。WOCNは、受け持ち看護師へA 氏の褥瘡の再発や、治癒においてどのような介入が必要かを投げかけ、受け持ち看護師が困難と考えていることは何かを理解するよう努めた。受け持ち看護師は、介護者のケアの変更受入れが難しい状況に悩んでいた。また介護者の意向も尊重したいという考えがきかれた。WOCN は、介護者の目標を達成するために介護者と一緒に短期目標を決定することや、褥瘡の治癒促進には様々な要因への同時介入が必要ではないかということ、そして多職種にもアプローチをすることを受け持ち看護師へ提案した。【考察】WOCN もA 氏に直接訪問し、ケアを提供する事例ではあったが、WOCN が改善策を実践するのは容易なことではある。しかしWOCN は俯瞰して事象を捉えて、受け持ち看護師がA 氏の褥瘡再発の原因や、栄養状態の評価、改善策が見いだせない状況から、受け持ち看護師の気持ちを知ることにより、介入方法の手立てをアドバイスすることができた。WOCN が訪問看護ステーションに在籍することは、皮膚、排泄に関する事でスタッフからは重宝されると思われる。しかしWOCN も訪問看護師として訪問することが通常で、そこで安易に直接実践をしてしまうことはスタッフにおける皮膚、排泄に関するケアの質の向上には繋がらない。訪問看護の特徴である、利用者と看護師が一対一で関わるなかで、スタッフにおける皮膚、排泄に関するケアの質の向上には、コンサルテーションが重要な役割となってくると考えられる。