第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター12群 新型コロナウイルス感染症下の看護~面会制限下の患者・家族への対応~

2022年11月8日(火) 15:30 〜 16:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:野田 洋子

[ポスターM-12-2] 面会制限下で入院生活を送る整形外科手術を受けた患者の思い

佐藤 雅子, 大久保 華由紀, 阿部 奈美, 太田 未来 (北海道整形外科記念病院)

キーワード:面会制限、思い、入院生活、整形外科

【抄録】
【目的】現在感染症対策のため面会制限が続いており、患者に不便さや不安な思いがあるのではないかと思われる面もみられる。そこで、入院生活や手術前後の関わりについての看護の示唆を得るために、面会制限下で入院生活を送る整形外科手術を受けた患者の思いを明らかにすることを目的とし調査した。【方法】倫理的配慮として目的・方法、研究への参加・協力の自由意志・拒否権、プライバシー及び個人情報保護の方法を文書と口頭で説明し、同意が得られた手術後1~ 2 週後の患者20 名を対象として半構成的面接を実施した。データから逐語録を作成し、コード・カテゴリー化した。調査期間は令和3 年9 月~ 11 月に実施した。【結果】対象者は年齢30 代~ 80 代で、疾患の部位は上肢、下肢、股関節、脊椎で、いずれも5 名であった。語られた思いから24 のカテゴリーが抽出された。カテゴリーは〈 〉で示す。入院日から手術前日までは〈入院によって家族に会えない不安〉〈家族に頼れない不安〉〈面会制限を受容している〉、手術当日の術前は〈手術前に家族に会えない不安〉〈面会制限への不安〉〈面会制限の受容〉、手術当日の術後は〈手術後に家族に会えない不安〉〈同室者の存在による寂しさの緩和〉〈看護師の関わりによる安心感〉〈家族に連絡が取れたことによる安心感〉〈医療従事者から家族へ連絡してほしいという要望〉、入院生活については〈不便さを感じていない〉〈メールが出来ていることにより不安はない〉〈面会制限の受容〉〈面会制限により安楽に過ごせる〉〈面会出来ないことでの寂しさ〉〈荷物の受け渡しの不便さ〉〈容姿の変化を見られない事による羞恥心の軽減〉〈家族への負担の軽減〉、今後については〈面会制限の受容〉〈医療者への感謝〉〈病院側への要望〉〈退院時の荷物の不安〉〈面会制限によって得られた安楽〉のカテゴリーが抽出された。【考察】入院手術により患者は様々な不安を抱いており、更に面会制限による不安の要素が加わっていると言える。一方、入院生活について寂しさはあるが不安はきかれず、看護師は入院から手術直後までは、より精神的な関わりが必要である。また、手術直後は患者から家族への連絡は難しいため、医療者側から連絡を行うかの意向を聞いてもよいと考える。今後については条件付きで面会を許可する等、要望や意見を聞いていく必要がある。