第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター16群 健やかに生まれ・育つことへの支援

2022年11月9日(水) 09:30 〜 10:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:髙松 いと子

[ポスターM-16-4] コロナ禍における産後1 か月の母親の母乳育児不安の現状

松浦 華子1, 宮木 綾子1, 山口 圭那1, 赤井 由紀子2 (1.みたき総合病院, 2.四天王寺大学看護学部)

キーワード:産後1 か月、母乳育児不安、母乳育児支援

【抄録】
【目的】新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、妊産婦は母親教室や入院中の授乳指導において十分な時間が確保できなくなった。本研究では、コロナ禍における産後1 ヶ月の母親の母乳育児不安の現状を明らかにすることを目的とした。【方法】2021 年9 月1 日から2021 年10 月15 日にA病院で分娩した母親72 名を対象とした。退院時に研究協力依頼書と質問紙を配布し1 か月健診時に回収した。所属施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。分析にはSPSS Statisticsver27 を使用し2 群の平均値の比較にはt 検定、クロス集計にはχ2検定を用いた。エジンバラ産後うつ病質問票(以下EPDS)を用い、カットオフ値を9 点とし高得点群と正常群に分けて分析を行った。【結果】対象の平均年齢は32 歳、35歳以上が27.7%初産婦は50%であった。分娩方法は経腟分娩84.7% 帝王切開12.5%。妊娠中の乳頭の手入れは56.9% が実施していた。入院中は「母乳栄養」が初産婦2 名、経産婦5 名の計7 名(9.7%)「混合栄養」は初産婦32 名、経産婦27名の計59 名(81.9%)「人工栄養」は初産婦2 名、経産婦4名の計6 名(8.3%)で、1 か月健診時は「母乳栄養」は初産婦5 名、経産婦16 名の計21 名(29.1%)に増加し「混合栄養」初産婦29 名、経産婦17 名の計46 名(63.8%)「人工栄養」は初産婦2 名、経産婦3 名の計5 名(6.9%)であった。母乳育児不安が「ある」褥婦は入院中(P< 0.01)と1 か月健診時(P< 0.001)共に経産婦より初産婦の方が有意に多かった。また、初産婦は「妊娠中に乳頭の手入れを行った(P< 0.01)」「産後サポートを利用した(P< 0.05)」人数の割合も有意に高かった。産後1 か月健診でEPDS 高得点群は15.9%であった。不安の変化を見ると入院中は「直母が上手く出来ない」などであり、1 か月健診時では「ミルクを足す量・タイミングがわからない」などであった。【考察】産後1 ヶ月の母乳栄養の増加は経産婦にみられ、母乳育児への不安は初産婦の方が有意に多く、様々な不安を抱えていた。EPDS については初経産婦とも産後1 ヶ月で高得点群の割合は全国平均の9.8%より高く15.9%であった。これはコロナ禍以前より増加しており、軽減するためには退院後も継続した指導が必要であることの示唆を得た。